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スシローvsくら寿司vsはま寿司…“競争激化”の回転寿司チェーン。「栄枯盛衰で生き残る」カギは

リーディングカンパニーのスシロー

 日本の食文化のひとつに挙げられるようになった回転寿司。そのルーツは1958年にオープンした大阪府東大阪市の「廻る元禄寿司」である。高級な食事であった寿司を手軽な大衆食にし、回転寿司の基礎を築きあげた功績は大きい。
 日本が高度成長期で町全体が活気づいている時、まだ立ち食い寿司だった元禄寿司にも大勢の客が来店。この機会に高級食だった寿司をより多くの人に食べてほしいとの強い思いから、「1皿20円」というお手頃価格に設定し、提供していた。

⇒【写真】スシローのマグロは驚きの原価率60%

 しかし、客は殺到するが深刻な人員不足により寿司の提供が困難となり、社長は頭を抱えた。ある日、たまたまビール工場を見学し、ベルトコンベアで運ばれてくるビールを見て、同じように寿司をレーンの上で回すことを着想したとのことである。

競争が激化!回転寿司の歴史
 10年の試行錯誤を経て回転寿司の原型、コンベア旋回式食事台を実用化できたそうだ。その結果、人手不足の解決策だけでなく、お寿司が回るという新たな娯楽を外食文化にもたらしている。

 1978年に実用新案の権利が切れると、今の大手資本などによる新規参入が相次ぎ競争が激化。回転寿司の急速な成長に伴い、今の子供たちには、寿司といえば回転寿司しか知らないほどの存在になった。

 運営元の元禄産業は飲食店の名称として「まわる」「廻る」「回転」などを商標登録しており、後発の他店は、回転寿司の名称を利用できない状況が続いていたが、1997年に元禄産業は飲食店における回転の使用を開放し、回転寿司市場の拡大に寄与している。

 最近では、複数の回転寿司チェーン店において、「スシロー迷惑動画事件」のような迷惑行為が相次ぎ社会問題化し、加えてフードロス問題対策として、回転レーンによる商品提供を廃止し、客による好きな寿司を好きなだけタッチパネルで注文するといった提供方法が定着している。

1兆円に迫る回転寿司市場
 厨房に調理ロボット等の機械を導入し、寿司職人未経験者でも調理できることから、1皿120円など低価格店を中心に品数を増やしてきた回転寿司チェーン。売価は均一価格ではあるが、原価は均一ではない為に原価率70%もあれば20%もあり、総原価率で40~50%になっているようだ。

 ちなみに、スシローが看板商品として力を入れるマグロの原価率は60%を超え、こればかり食べられると原価的には厳しいそうである。そのスシローの原価は50%とのことである(「スシロー新卒採用サイト」より)。各店が、原価率の異なる商品をトータルで管理し、利益を創出するために、粗利ミックスを有効に活用している。ちなみに客単価は1000円程度になっている。

 国内店舗数では、1位のスシロー642店(24年4月時点)。2位はま寿司570店(23年6月時点)、3位無添くら寿司546店(24年3月時点)となっている。海外も含めた店舗数を見ると、スシローは774店舗中、海外は132店舗で海外比率は14.5%、無添くら寿司は664店舗中、海外は118店舗で海外比率は17.8%となった。はま寿司の海外展開は台湾に7店舗(2022年12月時点)出店しているだけだったが、コロナ収束後の直近では、香港(23年6月、ジェトロ)中国北京(24年1月、日経新聞)に出店し、日本食への関心が高い中間層の需要の顕在化を狙っているようだ。

 売上では1位FOOD&LIFE COMPANIES(スシローや京樽など寿司関連グループ1123店舗)3017億円(23年9月期)、2位無添くら寿司2114億円(23年10月期)、3位はゼンショーのはま寿司1800億円(24年3月期)となっており、上位3社で売上が6931億円、市場シェア75%を占めており、回転寿司市場を牽引している。4位のカッパ・クリエイト(かっぱ寿司)704億円(23年3月期)、5位元気寿司グループ(非回転寿司の魚べいと元気寿司)546億円(23年3月期)も追随している。

 コロナ収束後の回転寿司の成長は著しく、国内及び、海外出店分まで含めると9250億円市場にまで規模が拡大されているようだ。


中高年層狙い「グルメ回転寿司」の出現
 マーケットシェア12%を占めるグルメ回転寿司。少し高くても、いいものが食べたいといった顧客層とニーズは常に存在し、客単価は1500~2000円で原価率は40%程度である。威勢ある板前さんの接客、客の前でマグロなどの解体ショーを実施したりと、商品価値以外の演出などパフォーマンスにも力を入れ、独自性を発揮している。

 家族客を標的顧客に設定し、アイドル時間の有効活用として豊富なスイーツメニューを目当てに女子高生や女子会を開く若い女性にも顧客層を広げたスシロー、はま寿司、くら寿司など家族客をターゲットにした低価格チェーンに対して、グルメ回転寿司の客層は中高年層が中心だ。

 旬の食材に職人がひと手間加えた商品を味わえ、かつ回らない本格高級すし店やフレンチ・イタリアンのディナー業態よりはハードルが低い。そんなポジショニングで、グルメ嗜好の客を呼び込んでいるようだ。

生産性向上に向けた「飲食店DX」を競う!
 現在、人手不足もあり、オペレーションの効率化を課題に、飲食店DXの推進を各店が競っている。予約はスマホ、席案内は店頭に設置してある案内用機械、注文はタッチパネル、料理提供はベルトコンベア、会計は自動計算とセルフレジと、見事までに人に依存しない効率的な運営が構築されており、感心させられる。

 本来、人間がやる仕事を機械が代替し、その分、働く機械のサポートに回るなどして、人件費を抑制して人手不足対策にもなっているようだ。お客さんも現在のスタイルに慣れ親しんで、何の違和感もなく普通に楽しんで食事をされているから相互にメリットがあるようだ。

 スシローは提供スピードを高めて客席回転率を高めるらめ、寿司が自動的に最短ルートを流れるシステムから、注文卓に商品が振り分けられる引き込みレーンも独自開発しており、課題の衛生管理も強化されていた。厨房の寿司ロボットなども進化させ、ムダをとことん排除し、廃棄ロスや人の有効活用ができており、最新技術を駆使した効率化は高い評価を得ているそうだ。


損益分岐点の低い店づくりがカギに
 今は原材料高、エネルギーコスト高、円安、人手不足と賃金上昇機運の高まりなど、飲食店の事業運営には大きな逆風が吹いている。何でも値上がりする環境条件の中でいかに損益分岐点の低い店作りをするかが生き残りのカギになる。

 飲食店は材料費や人件費など変動費の割合が60%程度と高く、徹底した管理で利益の出る店にできると思う人が多いが、これらは完全なる変動費ではない。人をモノのように削ったり、低品質の食材を仕入れるのは論外なのである。

 だから、従業員には金銭的報酬だけでなく、福利厚生にも力を入れ、顧客の満足度だけでなく、従業員のも満足度を上げなければいけない。店は人なりを再認識し、従業員満足=顧客満足を徹底させねばならない。人とロボットとの最適な協働体系を確立し、販管費の低減に向け効率的なオペレーションを追求することが肝要である。

回転寿司の本道を極める業界首位「スシロー」
 スシローは原価率が50%近くと商品力に強みを持ち、回転寿司の本道を極めるスシローの寿司にお客さんは高い評価をしている。

 コロナ禍の回転寿司業界で衛生管理に若干の批判があったり、客のイタズラ投稿や景表法違反で逆風が吹いたものの、さすがは商品力のあるスシロー。すぐに再生し、首位の座をキープしており、2位以下に差をつけている。頻繁に魅力ある期間限定企画を実施し、ネタも新鮮で大きく顧客満足度が高い。

 現在、スシローは日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、タイ、中国大陸で事業を展開中。海外の店舗数は、韓国9店舗、台湾38店舗、香港25店舗、シンガポール9店舗、インドネシア1店舗、タイ18店舗、中国大陸36店舗だ(2023年11月末時点)。

スシローとの差別化を図る「無添くら寿司」
 総店舗数は2位だが国内店舗数は3位の無添くら寿司。運営はくらコーポレーション。寿司の美味しさは首位のスシローと比較しても遜色はなく、寿司以外のメニューもバリエーション豊かである。

 この店の特徴は、どこよりも増して、衛生管理を強化しており、食の安全性に力を入れていることである。化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料といった添加物の不使用を「無添」とうたっているから当然のことだと思われるが、費用対効果を考えて、それなりの店があることも事実である。

 また、お子さんに人気の企画や店内演出でも集客に力を入れている。「鮮度くん(寿司カバー)」上部についているQRコードによる製造時間制限管理システムを導入後、長時間レーン上に置かれた寿司を廃棄するシステムも導入。客が皿を投入口(皿カウンター)に入れることで洗い場まで自動的に回収され、同時に枚数がカウントされ、精算される。テーブル席に5皿ごとにカプセルトイの景品が当たる抽選機「びっくらポン」も導入し、子供さんに人気で大人でも楽しんでいる。

 全店舗に店舗支援システムがあり、本部から全店舗を見ることができ、運営における援助をすることができる。寿司だけでなく、追い鰹醤油らーめん、天丼、うな丼も販売して魅力度を増している。くら寿司も各社と同様に115円均一価格を維持させるための対策として、粗利益が確保できるらーめん・丼物・デザートなどを積極販売。そして、メニューの拡充を図りながら、粗利ミックスを活用して原価を適切にコントロールしている。


首位を追いかける「はま寿司」
 外食売上ランキング首位で、すき家などを運営するゼンショーが、回転寿司事業への参入を目的として、2002年10月に設立したはま寿司。なおゼンショーは以前、かっぱ寿司やあきんどスシローを傘下としていた時期もあったが、現在では関係を解消し、独自に設立したはま寿司を展開している。

 以前、価格競争で他店と差別化を図るために、寿司全皿平日90円キャンペーンを開始したこともあるが、物価高騰などの理由で2022年に終了した。従業員の負担軽減を目的に、人型ロボット「Pepper」を設置して話題にもなった。

 メニューは90種類程度で、味噌汁・ラーメン・うどん・ケーキなども提供しており、他店とほぼ同質化しているように見える。

回転寿司業界の将来とは?
 今後も、上位3チェーン店が競い合って市場を更に拡大することが推察される。そして、独自性を発揮した店が追随していくことになる。各店が成長に向け、①仕入れ力の強化、②魅力ある品揃えの強化、③DXも含めオペレーションの強化などに磨きをかけて、競争優位性を確保するであろう。

 回転寿司業界を取り巻く環境をよく見ると、地球温暖化や海洋汚染から身近な回転寿司の存続が危ぶまれている現在では、水産資源保全の観点からも、寿司ネタである海産物たちが生きている海を何とかしないといけない。

 回転寿司は食材である魚のコスト割合が大きく、売上原価で4~5割を占める中で、海水温の上昇や世界的な人口増加、ウクライナ危機などを背景に、漁獲量の減少や魚価格の高騰が、経営を圧迫することが懸念される。SDGsが掲げる目標14「海の豊かさを守ろう」の、健全で生産的な海の実現が肝要である。海産物が獲れなくなってしまったら、回転寿司の存続は困難である。実効性ある対策を講じていかないといけない。


和歌山屋の選択がそのまま業界の盛衰だった、さすがマニアの眼力だ

スシローvsくら寿司vsはま寿司…“競争激化”の回転寿司チェーン。「栄枯盛衰で生き残る」カギは

リーディングカンパニーのスシロー

 日本の食文化のひとつに挙げられるようになった回転寿司。そのルーツは1958年にオープンした大阪府東大阪市の「廻る元禄寿司」である。高級な食事であった寿司を手軽な大衆食にし、回転寿司の基礎を築きあげた功績は大きい。
 日本が高度成長期で町全体が活気づいている時、まだ立ち食い寿司だった元禄寿司にも大勢の客が来店。この機会に高級食だった寿司をより多くの人に食べてほしいとの強い思いから、「1皿20円」というお手頃価格に設定し、提供していた。

⇒【写真】スシローのマグロは驚きの原価率60%

 しかし、客は殺到するが深刻な人員不足により寿司の提供が困難となり、社長は頭を抱えた。ある日、たまたまビール工場を見学し、ベルトコンベアで運ばれてくるビールを見て、同じように寿司をレーンの上で回すことを着想したとのことである。

競争が激化!回転寿司の歴史
 10年の試行錯誤を経て回転寿司の原型、コンベア旋回式食事台を実用化できたそうだ。その結果、人手不足の解決策だけでなく、お寿司が回るという新たな娯楽を外食文化にもたらしている。

 1978年に実用新案の権利が切れると、今の大手資本などによる新規参入が相次ぎ競争が激化。回転寿司の急速な成長に伴い、今の子供たちには、寿司といえば回転寿司しか知らないほどの存在になった。

 運営元の元禄産業は飲食店の名称として「まわる」「廻る」「回転」などを商標登録しており、後発の他店は、回転寿司の名称を利用できない状況が続いていたが、1997年に元禄産業は飲食店における回転の使用を開放し、回転寿司市場の拡大に寄与している。

 最近では、複数の回転寿司チェーン店において、「スシロー迷惑動画事件」のような迷惑行為が相次ぎ社会問題化し、加えてフードロス問題対策として、回転レーンによる商品提供を廃止し、客による好きな寿司を好きなだけタッチパネルで注文するといった提供方法が定着している。

1兆円に迫る回転寿司市場
 厨房に調理ロボット等の機械を導入し、寿司職人未経験者でも調理できることから、1皿120円など低価格店を中心に品数を増やしてきた回転寿司チェーン。売価は均一価格ではあるが、原価は均一ではない為に原価率70%もあれば20%もあり、総原価率で40~50%になっているようだ。

 ちなみに、スシローが看板商品として力を入れるマグロの原価率は60%を超え、こればかり食べられると原価的には厳しいそうである。そのスシローの原価は50%とのことである(「スシロー新卒採用サイト」より)。各店が、原価率の異なる商品をトータルで管理し、利益を創出するために、粗利ミックスを有効に活用している。ちなみに客単価は1000円程度になっている。

 国内店舗数では、1位のスシロー642店(24年4月時点)。2位はま寿司570店(23年6月時点)、3位無添くら寿司546店(24年3月時点)となっている。海外も含めた店舗数を見ると、スシローは774店舗中、海外は132店舗で海外比率は14.5%、無添くら寿司は664店舗中、海外は118店舗で海外比率は17.8%となった。はま寿司の海外展開は台湾に7店舗(2022年12月時点)出店しているだけだったが、コロナ収束後の直近では、香港(23年6月、ジェトロ)中国北京(24年1月、日経新聞)に出店し、日本食への関心が高い中間層の需要の顕在化を狙っているようだ。

 売上では1位FOOD&LIFE COMPANIES(スシローや京樽など寿司関連グループ1123店舗)3017億円(23年9月期)、2位無添くら寿司2114億円(23年10月期)、3位はゼンショーのはま寿司1800億円(24年3月期)となっており、上位3社で売上が6931億円、市場シェア75%を占めており、回転寿司市場を牽引している。4位のカッパ・クリエイト(かっぱ寿司)704億円(23年3月期)、5位元気寿司グループ(非回転寿司の魚べいと元気寿司)546億円(23年3月期)も追随している。

 コロナ収束後の回転寿司の成長は著しく、国内及び、海外出店分まで含めると9250億円市場にまで規模が拡大されているようだ。


中高年層狙い「グルメ回転寿司」の出現
 マーケットシェア12%を占めるグルメ回転寿司。少し高くても、いいものが食べたいといった顧客層とニーズは常に存在し、客単価は1500~2000円で原価率は40%程度である。威勢ある板前さんの接客、客の前でマグロなどの解体ショーを実施したりと、商品価値以外の演出などパフォーマンスにも力を入れ、独自性を発揮している。

 家族客を標的顧客に設定し、アイドル時間の有効活用として豊富なスイーツメニューを目当てに女子高生や女子会を開く若い女性にも顧客層を広げたスシロー、はま寿司、くら寿司など家族客をターゲットにした低価格チェーンに対して、グルメ回転寿司の客層は中高年層が中心だ。

 旬の食材に職人がひと手間加えた商品を味わえ、かつ回らない本格高級すし店やフレンチ・イタリアンのディナー業態よりはハードルが低い。そんなポジショニングで、グルメ嗜好の客を呼び込んでいるようだ。

生産性向上に向けた「飲食店DX」を競う!
 現在、人手不足もあり、オペレーションの効率化を課題に、飲食店DXの推進を各店が競っている。予約はスマホ、席案内は店頭に設置してある案内用機械、注文はタッチパネル、料理提供はベルトコンベア、会計は自動計算とセルフレジと、見事までに人に依存しない効率的な運営が構築されており、感心させられる。

 本来、人間がやる仕事を機械が代替し、その分、働く機械のサポートに回るなどして、人件費を抑制して人手不足対策にもなっているようだ。お客さんも現在のスタイルに慣れ親しんで、何の違和感もなく普通に楽しんで食事をされているから相互にメリットがあるようだ。

 スシローは提供スピードを高めて客席回転率を高めるらめ、寿司が自動的に最短ルートを流れるシステムから、注文卓に商品が振り分けられる引き込みレーンも独自開発しており、課題の衛生管理も強化されていた。厨房の寿司ロボットなども進化させ、ムダをとことん排除し、廃棄ロスや人の有効活用ができており、最新技術を駆使した効率化は高い評価を得ているそうだ。


損益分岐点の低い店づくりがカギに
 今は原材料高、エネルギーコスト高、円安、人手不足と賃金上昇機運の高まりなど、飲食店の事業運営には大きな逆風が吹いている。何でも値上がりする環境条件の中でいかに損益分岐点の低い店作りをするかが生き残りのカギになる。

 飲食店は材料費や人件費など変動費の割合が60%程度と高く、徹底した管理で利益の出る店にできると思う人が多いが、これらは完全なる変動費ではない。人をモノのように削ったり、低品質の食材を仕入れるのは論外なのである。

 だから、従業員には金銭的報酬だけでなく、福利厚生にも力を入れ、顧客の満足度だけでなく、従業員のも満足度を上げなければいけない。店は人なりを再認識し、従業員満足=顧客満足を徹底させねばならない。人とロボットとの最適な協働体系を確立し、販管費の低減に向け効率的なオペレーションを追求することが肝要である。

回転寿司の本道を極める業界首位「スシロー」
 スシローは原価率が50%近くと商品力に強みを持ち、回転寿司の本道を極めるスシローの寿司にお客さんは高い評価をしている。

 コロナ禍の回転寿司業界で衛生管理に若干の批判があったり、客のイタズラ投稿や景表法違反で逆風が吹いたものの、さすがは商品力のあるスシロー。すぐに再生し、首位の座をキープしており、2位以下に差をつけている。頻繁に魅力ある期間限定企画を実施し、ネタも新鮮で大きく顧客満足度が高い。

 現在、スシローは日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、タイ、中国大陸で事業を展開中。海外の店舗数は、韓国9店舗、台湾38店舗、香港25店舗、シンガポール9店舗、インドネシア1店舗、タイ18店舗、中国大陸36店舗だ(2023年11月末時点)。

スシローとの差別化を図る「無添くら寿司」
 総店舗数は2位だが国内店舗数は3位の無添くら寿司。運営はくらコーポレーション。寿司の美味しさは首位のスシローと比較しても遜色はなく、寿司以外のメニューもバリエーション豊かである。

 この店の特徴は、どこよりも増して、衛生管理を強化しており、食の安全性に力を入れていることである。化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料といった添加物の不使用を「無添」とうたっているから当然のことだと思われるが、費用対効果を考えて、それなりの店があることも事実である。

 また、お子さんに人気の企画や店内演出でも集客に力を入れている。「鮮度くん(寿司カバー)」上部についているQRコードによる製造時間制限管理システムを導入後、長時間レーン上に置かれた寿司を廃棄するシステムも導入。客が皿を投入口(皿カウンター)に入れることで洗い場まで自動的に回収され、同時に枚数がカウントされ、精算される。テーブル席に5皿ごとにカプセルトイの景品が当たる抽選機「びっくらポン」も導入し、子供さんに人気で大人でも楽しんでいる。

 全店舗に店舗支援システムがあり、本部から全店舗を見ることができ、運営における援助をすることができる。寿司だけでなく、追い鰹醤油らーめん、天丼、うな丼も販売して魅力度を増している。くら寿司も各社と同様に115円均一価格を維持させるための対策として、粗利益が確保できるらーめん・丼物・デザートなどを積極販売。そして、メニューの拡充を図りながら、粗利ミックスを活用して原価を適切にコントロールしている。


首位を追いかける「はま寿司」
 外食売上ランキング首位で、すき家などを運営するゼンショーが、回転寿司事業への参入を目的として、2002年10月に設立したはま寿司。なおゼンショーは以前、かっぱ寿司やあきんどスシローを傘下としていた時期もあったが、現在では関係を解消し、独自に設立したはま寿司を展開している。

 以前、価格競争で他店と差別化を図るために、寿司全皿平日90円キャンペーンを開始したこともあるが、物価高騰などの理由で2022年に終了した。従業員の負担軽減を目的に、人型ロボット「Pepper」を設置して話題にもなった。

 メニューは90種類程度で、味噌汁・ラーメン・うどん・ケーキなども提供しており、他店とほぼ同質化しているように見える。

回転寿司業界の将来とは?
 今後も、上位3チェーン店が競い合って市場を更に拡大することが推察される。そして、独自性を発揮した店が追随していくことになる。各店が成長に向け、①仕入れ力の強化、②魅力ある品揃えの強化、③DXも含めオペレーションの強化などに磨きをかけて、競争優位性を確保するであろう。

 回転寿司業界を取り巻く環境をよく見ると、地球温暖化や海洋汚染から身近な回転寿司の存続が危ぶまれている現在では、水産資源保全の観点からも、寿司ネタである海産物たちが生きている海を何とかしないといけない。

 回転寿司は食材である魚のコスト割合が大きく、売上原価で4~5割を占める中で、海水温の上昇や世界的な人口増加、ウクライナ危機などを背景に、漁獲量の減少や魚価格の高騰が、経営を圧迫することが懸念される。SDGsが掲げる目標14「海の豊かさを守ろう」の、健全で生産的な海の実現が肝要である。海産物が獲れなくなってしまったら、回転寿司の存続は困難である。実効性ある対策を講じていかないといけない。



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