トヨタとJAXA、有人月面車の共同研究に着手　2029年打ち上げへ

2019年7月17日（水）06時30分

トヨタ自動車と宇宙航空研究開発機構（JAXA）は7月16日、燃料電池車（FCV）技術を用いた月面でのモビリティ「有人与圧ローバ」について、具体的な共同研究に着手すると発表した。

トヨタとJAXAは今年3月、有人与圧ローバの検討について、協力して加速するで合意。両者が検討を進める有人与圧ローバのコンセプト案では、全長6.0×全幅5.2×3.8m（マイクロバス約2台分）、居住空間は13立方米（4畳半ワンルーム程度）で2名滞在可能（緊急時は4名滞在可能）。月面まで輸送し得るエネルギーが限られる中、月面で1万km以上の走行を可能にするとしている。(これは一回2000kmのミッションを5回行う想定らしい)

今回、有人宇宙ローバの開発および国際協力による月面探査での活用を目指し、試作車の製作・実験・評価を含む3年間（2019年度～2021年度）の共同研究協定を締結した。

具体的には、2019年度に実際の月面走行に向けて開発が必要な技術要素の識別、試作車の仕様を定義。2020年度は各技術要素の部品の試作、試作車の製作を、2021年度は試作・製作した部品や試作車を用いた実験・評価を行う予定だ。

これに伴い、JAXAは、月の資源（水氷等）の利用可能性調査および重力天体表面探査技術の獲得を目的とする月極域探査ミッションにて、有人与圧ローバの実現に向けた走行技術に関するデータ取得や実証を予定。トヨタは、2019年7月1日付で、専門組織「月面探査車開発（室格）」を立ち上げ、年内に約30名規模まで拡大する予定だ。

また両者は2029年の打ち上げを目指した構想（案）を発表。2022年から1/1スケール試作車の製作・評価、月極域での走行系に関するデータ取得・実証を行い、2024年からエンジニアリングモデルの設計・製作・評価、フライトモデル（実機）の設計に着手。2027年より フライトモデルの製作・性能品質検証を行う計画だ。

https://response.jp/article/2019/07/17/324485.html

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日本の月面車について調べてみました。

殆どは2019年時点でのニュース。

それから1年経過した現在、どこまで具体的になっているかは不明。

でも将来の宇宙開発。

探査では無く実用化・産業化を目指すにあたって、この月面車計画は今話題の日本人の月面着陸よりも、はるかに大きい意味を持つと思いますね。

月面車だけでも、他の記事によると

　トヨタは燃料電池自動車「ミライ」などの技術をもとに、月面車の燃料電池や走行装置を開発します。一方JAXAは、宇宙ステーションや宇宙探査機の技術をもとに、月面車の生命維持装置や月面探査装置を開発することになります。

　宇宙飛行士が地球へ帰っても、月面車の仕事は終わりません。有人月面探査は2029年から2034年のあいだに全部で5回、それぞれ月の別の地域で行われることになっていて、5回とも同じ月面車を使いまわします。成田空港からの関東観光に使ったレンタカーが、関西空港へ移動して関西観光に使われるような感じで、月面車が無人で移動して次の宇宙飛行士を待ち構えるのです。

https://trafficnews.jp/post/88085/3

と、無人長距離走行をさせるなど、単純な車の製造と提供だけでは無さそうです

そして将来への布石としての技術獲得においても、私がさっと考えただけでも

・他の惑星上での機動力確保　（月面車）

・基地建設・活動での基本的知見　（月面車での居住インフラ・ラボ）

・燃料電池の維持・再生での資材調達と工業生産の体系化治験　（将来の月面での水・酸素・FC製造・コンクリートなどの資材調達と製造）

・地球と月との輸送インフラの参加　（SLIMの成果による任意地点への輸送・回収能力の確立）

と、月面での基地建設・活動・工業化の端緒となるべき基本技術が獲得できます。

燃料電池のユニット化・積載方法のコンセプト

有人与圧ローバ イメージ動画

アポロで探検調査をおこない、今回の[GATEWAY]計画から始まる月面活動計画で実用調査・産業化へ実用調査を行う。

日本が月面車に名乗りを上げて動き始めたのも、燃料電池・与圧構造物（KIBO実績）・精密誘導技術(HAYABUSA・SLIM)・月面地表調査実績（KAGUYAの精密調査が大きかったと思う）などが有ったからでしょう。

付加能力として宇宙食製造技術、H3ロケット・新型HTVによる独自の大規模補給・往還輸送システムが期待できるという点も有ると思われます。

これはESA・ロシアと比べて、更にアメリカに比べてもアドバンテージとして主張出来る実績だと思いますね。

月面車の打ち上げはアメリカのLSLロケットで行われますが、月面降下機は日本が作ると想定されている様です。

しかし、これだけメリットがある欠面車構想ですから、F-3の様にアメリカが「ＧＭと組め」と、共同開発などで食い込んできそうな気もしますねw

それでも是非とも実現し、日本の宇宙(月面)産業の足掛かりになって欲しいところです。

車だけじゃないんですよ。日本の長年に渡る宇宙開発の技術・実績が無くては、こういう重要テーマにアピールできないのです。