共に民主・李在明（イ・ジェミョン）前代表の公職選挙法違反事件で、韓国大法院（最高裁）は1日、破棄差し戻し（有罪趣旨）の判決を言い渡した。破棄差し戻しの判断は、全員合議体に参加した最高裁判事12人のうち10人が同意した。李前代表は3月26日の控訴審判決で逆転無罪となっていた。

　共に民主党の大統領候補に選出された李前代表は現在まで有罪が確定しておらず、6月3日に予定されている韓国大統領選への出馬には法的には障害がない状態だ。
（引用ここまで）

　いや、これはちょっとすごいことになりましたね。
　大法院（最高裁に相当）がイ・ジェミョンの公職選挙法違反について高裁判決の無罪を破棄して、有罪前提で高裁差し戻しの判決を言い渡しました。
　あるていど予想はされていたのですよ。
　無罪にするのであれば急ぐ必要はない。
　有罪判決、もしくは有罪前提の高裁差し戻しは充分にあり得ると。

　なぜこんな事態になったかというと、やはり高裁による無罪判決があまりにもひどかったから……でしょうね。
　「写真がトリミングされているから捏造されたも同然で証拠採用しない」とかかなり無理筋の無罪判決でした。

　法理としてあまりにも受け入れがたい判決で、大法院としてもそれなりの態度を示す必要があると判断したのでしょう。
　大法官（最高裁判官に相当）12人中、10人が原審破棄差し戻しに合意ってのはそれ以外に考えられません。



　さて、もちろんのこと共に民主党とイ・ジェミョンは激怒しています。
　イ・ジェミョンは「私の考えとは完全に異なる判決」だとか言い出しています。

イ・ジェミョン「私の考えと全く違う判決…国民の意志が最も重要」（聯合ニュース・朝鮮語）

　「国民の意思がもっとも重要」っていうのは「我、党内予備選で得票率90％のイ・ジェミョンぞ？」って言っているんでしょうね。
　三権分立とは（笑）。

　共に民主党は「司法による大統領選挙介入だ！」と激昂している模様。

イ・ジェミョンの破棄差し戻しに共に民主党が激昂……「大法院のクーデター、明白な選挙介入」（SBS・朝鮮語）

　「大法院は大統領を選ぶ者ではない。大統領は国民が選ぶのだ」とか言い出してます。
　立法、行政は司法の上に立つってことか。
　三権分立とは（笑）。

　さて、これでも大統領選挙までの高裁判決は難しいと思われます。
　そのあたりも実際の動きがどうなるか分かりませんが。
　なんなら「イ・ジェミョン大統領当選後に有罪判決」なんて事態もあり得るようになってきました。
　必ずしも大法院がイ・ジェミョンの意のままに動くわけではないってことが判明してしまいましたからね。
　「大統領は（内乱罪と外患罪以外では）訴追されない」って条項は当選以前の審理に影響しないって言い出す可能性もありますからね。

　それ以前に今回の有罪前提の高裁差し戻しで中道派が一気にイ・ジェミョン離れを起こす可能性が高まりました。
　国民の力が一致団結できれば、覆せる状況になったといえます。
　問題は誰を候補にするか……ですけどね。