韓国で前例のない「大統領権限代行の代行の代行」という異例の統治体制が発足した。ハン・ドクス（韓悳洙）首相に続き、チェ・サンモク（崔相穆）経済副首相兼企画財政相も辞任したことで、イ・ジュホ（李周浩）社会副首相兼教育相が大統領の職務を一時的に代行することとなった。

昨年12月にハン・ドクス氏の弾劾訴追案が国会で可決され、チェ・サンモク氏が87日間にわたり「大統領権限代行の代行」を務めた前例があった。今回はさらに一段階下の「代行の代行の代行」が現実となった。

イ・ジュホ氏は、5月2日午前0時から6月3日の大統領選挙で当選者が確定する翌4日午前まで、約33日間にわたり大統領権限を代行することになる。この間、イ・ジュホ氏は教育政策に加え、国家の基本方針と民生経済の安定運営に責任を持つ。

チェ・サンモク氏は1日夜、共に民主党など野党が国会本会議で自身の弾劾訴追案を上程しようとする動きを受け、午後10時28分に辞意を表明。直後にハン・ドクス氏が辞表を受理した。

ハン・ドクス氏はこの日午後に辞任を表明したが、任期は5月1日深夜24時まで。国会では本会議中にチェ・サンモク氏の辞表が受理され、訴追案の審議が中断された。
（引用ここまで）

　昨日の大法院（最高裁）によるイ・ジェミョンへの有罪前提の高裁差し戻し判決はまださまざまな軋轢を韓国国内で呼んでいます。
　まず、冒頭記事は共に民主党が腹立ちまぎれにチェ・サンモク経済副首相兼企画財政相に対する弾劾決議案を国会に上程しました。
　審議途中に「辞任した」との連絡が入って審議終了。

　結果、ハン・ドクス国務総理も大統領選挙に立候補するために辞任していたために、今度はイ・ジュホ社会副首相兼教育部長官が大統領権限代行になりました。

　ユン・ソンニョル弾劾によってハン・ドクス国務総理が「大統領代行」。
　ハン・ドクス国務総理代行によってチェ・サンモク副首相が「代行の代行」
　ハン・ドクス総理、チェ・サンモク副首相の辞任で、今度はイ・ジュホ副首相が「代行の代行の代行」になったわけです。



　バカみたいですね。



　さて、チェ・サンモク副首相への弾劾は記念すべき30回目の弾劾案となりましたが、それとほぼ同時に31回目の弾劾が決定しています。
　それがこちら。

李在明無罪破棄で共に民主党に弾劾案を提出された沈雨廷・検察総長「弾劾理由は虚偽」「法治主義を毀損」（朝鮮日報）

　こちらの検察総長も「イ・ジェミョン有罪で腹立ちまぎれに弾劾」されました。
　こんなんやったところで、共に民主党への心証が悪くなるだけじゃないかと思うんですが、なにかやらないことには支持層からの追求を逃れることができないのでしょうね。
　よほど「司法への挑戦」に見えますが、きっとK三権分立では正しい姿なのでしょう。
　「成熟した民主主義」っすなー。