韓国大統領選挙運動期間、保守陣営で李在明（イ・ジェミョン）共に民主党候補の独走を阻止する最後のカードに挙げられている「金文洙（キム・ムンス）－李俊錫（イ・ジュンソク）」単一化に暗雲が垂れ込めている。野党「改革新党」から出馬した李俊錫候補が２２日に緊急記者会見を開き、「今後、国民の力のいかなる要人とも単一化に関連して疎通しない」と明らかにしたためだ。 （中略）

この日発表されたギャラップ世論調査では李在明４６％、金文洙３４％、李俊錫１１％で、金文洙－李俊錫候補の支持率合計（４５％）は李在明候補と超薄氷だった。

国民の力選対委関係者は「選挙が近づくほど李在明候補を阻もうという保守陣営の結集が起きる」としながら「２候補の支持率合計が李在明候補と接戦を見せれば『このまま負けることに何の意味があるか』という圧迫が強くなるよりほかなくなる」とした（※世論調査関連詳しい事項は中央選挙世論調査審議委公式サイト参照）。
（引用ここまで）

　与党というか……旧与党とでも書いたらいいのか。
　まあ、一応現在のところは与党となっている国民の力が、イ・ジュンソク候補に対して「キム・ムンス候補との一本化をすべきだ」と圧力をかけている、とのニュース。
　今日発表された韓国ギャロップ社による世論調査では支持率は以下のようになっています。
　括弧内は（増減ポイント）

・イ・ジェミョン 45％（-6）
・キム・ムンス 36％（+7）
・イ・ジュンソク 10%（+2）

　ついにキム・ムンス ＋ イ・ジュンソクの数字がイ・ジェミョンを追い越しています。
　ただまあ……一本化はイ・ジュンソクになんの利益もないんですよね。

　イ・ジュンソクは今年40歳の初回当選議員。改革新党所属。
　まだ国会議員にすらなれていなかった2021年に国民の力の党代表になったものの、ユン・ソンニョルが大統領に当選した22年くらいに石持て国民の力から追われています。いつもの内紛ですね。
　以降、新たな党を立ち上げて議席数3といえども国会に議員を送り込み、自らも国会議員になっています。

　つまりですね、イ・ジュンソクにとって今回の立候補は大統領になるというよりも次の大統領候補としての実績づくりなんですよ。
　10%以上の得票率があれば充分に実績として通用する。「次世代の保守勢力における星」的な地位を得られるのです。



　自分にさまざまな疑惑をかけて追い出したのですから、国民の力から圧力をかけられたからって一本化に合意するわけがないんですよね。
　まあ、あと「なにをいまさら」って話でもある。
　イ・ジュンソクに得がなさすぎる。
　そんなわけでイ・ジュンソクは「一本化はない」と語っているのです。

　国民の力が内紛で追い出したイ・ジュンソクがそこそこ有力候補として保守の票を割り、かつ一本化できないなんてあたりもイ・ジェミョンが「持っている」部分といえるかな。
　あとイ・ジェミョンが支持率を減らしたのはここのところの舌禍が影響したものとの分析。

「コーヒー120ウォン」「ホテル経済論」で逆風？ イ・ジェミョンの支持率が乱高下（韓国経済新聞・朝鮮語）

イ候補が過去「コーヒー一杯売れば8000ウォンから1万ウォン受け取ることができるが、原価が私が調べたところ120ウォン」と言った発言が最近論難になった。 また、テレビ討論では観光客がホテルに予約金10万ウォンを払ってから取り消し、予約金を返してもらってもお金が回り経済が活性化するといういわゆる「ホテル経済論」が浮上し、他候補に攻撃の口実を与えた。 イ候補はこれと関連し、「何が問題なのか、理解できなければバカ」といった具合に対応している。

イ候補は今月21日の遊説で、「それを理解できないことならバカで、曲解するなら悪人だ」と述べた。

イ候補は21日、仁川遊説で防弾ガラス設置を批判する国民の力に向かって「首を刺された政治家に向かって、そんなふざけたことをしていいのか」と話した。 このような発言は、事前に準備された原稿になかった内容だという。
（引用ここまで）

　反論されたら顔真っ赤にして言い返さないと気が済まない。
　普段の遊説で原稿があるものなら選対委の方針に従った物言いができるんでしょうけども、アドリブを含めるとこうして舌禍になってしまうっていうね。
　選対委、頭抱えているでしょうね。原稿の通りにしゃべってりゃ大統領の椅子が転がりこんでくるのになぁ。
　でもまあ、イ・ジェミョンはそんな人物ですから。しかたがない。