チョン・ドンヨン議員「まず、我々は外交をうまくやらなければ生き残れない民族です。我々の歴史がそれを証明しています。過去3年間、我々の外交は完全に壊れてしまいました。（中略） 何よりも習主席が重きを置いたのは「核心的利益」と「重大な関心事」をお互いに尊重すべきだという点です。

この『核心的利益』とは、中国が台湾問題を語るときに使う表現です。つまり、中国の外交において最優先事項は「ひとつの中国」ということで、台湾は国家ではなく中華人民共和国が中国を代表する唯一の国家だという立場です。私も中国に特使として行ったり高官と会った際には、対話の冒頭で必ずこう言われました。韓国政府が『ひとつの中国』原則を堅持してくれていることに感謝しており、今後も変わらずそれを守ってほしいと」

アンカー「ところで、気になるのは中国にとって台湾は一見、ただの小さな島じゃないですか。そんなに神経をとがらせる理由は何でしょうか？」 （中略）

アンカー「少し前に日本の防衛大臣がこんな発言をしました。現在、米軍は戦域を分けていて、在韓米軍は朝鮮半島有事の際にのみ戦闘に参加することになっていますが、その範囲を広げて、インド太平洋戦域まで在韓米軍を含めて再編するべきだと。つまり、台湾有事の際には在韓米軍も派遣するという意味のようですが、それに対して我々はどう対応すべきでしょうか？」

チョン・ドンヨン議員「日本の利害関係と我々の安保の利害関係は異なります。つまり、日本には日本の国益があるわけです。日本は安倍政権の時から『台湾有事は日本有事だ』と言っています。つまり、何か緊急事態が起こって台湾に異変があれば、それは日本の緊急事態と同等だという考えかたです。しかし、我々の場合、それが影響を与えることはあっても、台湾有事が即ち韓国有事だと同一視することはできません。ここに日本と韓国の違いがあります。

また、歴史的に見ても、例えば現在の日本と中国の関係を見ると、日本は中国からの侵略を一度も受けたことがありません。昔、元（モンゴル）が日本に渡ろうとした時に失敗しましたが。一方、韓国は中国と運命的な関係を持っています。こうした歴史的・地理的な特殊性を、同盟国のアメリカをはじめとする友好国にしっかり説明し、我々の国益を守っていくべきだと考えます。
（引用ここまで）

　チョン・ドンヨンなる人物が統一部長官（大臣に相当）に内定していまして。
　ノ・ムヒョン政権でも統一部長官をやっていました。
　日本関連では「ベトナムでの米朝会談が決裂したのは日本のロビー活動があったからだ」と主張していた人物ですね。



　米朝会談が決裂したのは日本のせい。
　あとムン・ジェインのヨーロッパ歴訪で「北朝鮮への制裁解除を手伝ってほしい」って首脳会談で述べた際に、すべての国から「いや、非核化が最初だろ」って言われたのも日本のせい。 　いやはや、日本はすごい国ですね（笑）。

　ま、それはともかく。
　そのチョン・ドンヨン議員がテレビ番組のインタビューで、台湾有事について発言しています。



　曰く──

　「日本は『台湾有事は日本の有事』というが、韓国にとってはそうではない」
　「日本は中国からの侵略を受けたことはないが、韓国は歴史的・地理的に特殊性を持っている」
　「中国の『核心的利益』を尊重しなければならない」

　だそうです。
　要するにイ・ジェミョン政権の外交方針がこれだってことですよ。
　イ・ジェミョンはG7の場でもいまだに「インド太平洋」って言葉に一言すら言及していません。

　インド太平洋戦略はQUADのみならず、東南アジアでもヨーロッパでもアメリカの同盟国間ではほぼ共通した認識、戦略なんですけども。
　これ、イ・ジェミョン政権の外交において最大の問題となりますからね。
　「実用外交」ってなら、シーレーン防衛も考えろって話になるんだよな……。