「トランプ関税分は自社で負担」を強いられる韓国自動車企業、日本製自動車の関税が低くなってしまったことに焦りを隠せず。韓国政府は「対米輸出の生命線」を守ることができるか? 周辺事情を解説します
現代自動車に続いて起亜車、LGエレクトロニクスも米国発関税の余波を避けることができなかった。起亜は4-6月期、世界市場での販売増加で四半期基準の過去最高売上高となったが、営業利益は前年同期比で24%以上減少した。品目関税(25%)により減少した利益は7800億ウォン(約830億円)を超える。
起亜は25日、4-6月期の連結基準の売上高を29兆3496億ウォン、営業利益を2兆7647億ウォンと公示した。売上高は前年同期比6.5%増えたが、営業利益は24.1%減少した。起亜の関係者は「米国の関税発効で損益への影響があったが、主要市場のボリューム成長、高付加価値車両を中心にした平均販売価格上昇、友好的な為替レート効果で収益性を維持できた」と話した。 (中略)
海外販売は前年同期比2.3%増の67万2353台だった。しかし関税の影響を受けた。起亜の金承俊(キム・スンジュン)財経本部長は「起亜は米国の関税の影響を5月から受け始めた」とし「関税という外部の変数がなかったとすれば2けた営業利益率を維持できたはず」と話した。
(引用ここまで)
2024年の日本からアメリカへの自動車輸出金額は6.02兆円。
部品を含めると7.3兆円。
1ドル152円くらいが去年の平均レートなので、自動車輸出金額はドルベースで396億ドル、部品を含めると480億ドル。
どこかにドルベースの数字もあるとは思うんですがとりあえず参考値として。
韓国の自動車輸出金額は347億ドル、部品を含めると429億ドル。
簡単な表組みにしておくか。
自動車 +部品
韓国 347億ドル 429億ドル
日本 396億ドル 480億ドル
経済規模で比べると日韓がかなり競っているというか、韓国から輸出される規模の大きさが分かると思います。
これはアメリカでの現地工場の規模の問題でもあるのですね。
ヒョンデ(ヒュンダイ)・キアはアメリカで建設途中のものも含めて年間生産台数は120万台規模。
これはトヨタ1社分(127万台)にすら及びません。その他、ホンダが100万台、日産が50万台、スバルが36万台、マツダが11万台。
北米全体になるとまた話が変わってくるのですが、アメリカ政府はカナダ・メキシコからの輸入にも関税はかけているのでここではあまり意味がないですかね。
日本にとっても大きな輸出産業であるのは間違いありませんが、韓国にとっては生命線ともいえる輸出規模だといえます。
そして、ヒョンデ自動車は4〜6月期の営業利益が15.8%減。
キアは24%減。
そりゃまあ、韓国政府も必死になって交渉しようとしますわな。
ヒョンデは4月から賦課のはじまった関税を自社で吸収していて、値上げをしていないとのこと。
関税に苦しむ韓国・現代自動車、収益減でも“価格据え置き”を選んだ理由(KOREA WAVE)
「我々はファーストフォロワーなので価格面でも最初に動き出せない」といった事情を抱えている、とのこと。
「ファーストフォロワー」とかいえば聞こえはいいですが、要するに他社の作ったトレンドに丸乗りするだけの企業ってことですからね。
そんな企業が先立って値上げできるわけないと。
両社が固唾を飲んで韓国政府による交渉を見守りつつ、「9月までは値上げしない」と我慢を強いられているのはこんな理由が重なっているのです。
韓国政府にとっても、韓国企業にとっても「(ライバルである)日本から輸出される自動車の関税が15%になってしまった」がために、かなりきついハードルを課されている状況になっているわけですね。
特にアメリカでの製造キャパがそこまででもなく、すぐに対抗手段を積むことができないヒョンデ・キアにとってはなおきついと。
ま、そんなこんなでなおのこと韓国政府は企業から突き上げをくらっているし、焦りまくっているのですよといった解説でした。
「トランプ関税分は自社で負担」を強いられる韓国自動車企業、日本製自動車の関税が低くなってしまったことに焦りを隠せず。韓国政府は「対米輸出の生命線」を守ることができるか? 周辺事情を解説します
現代自動車に続いて起亜車、LGエレクトロニクスも米国発関税の余波を避けることができなかった。起亜は4-6月期、世界市場での販売増加で四半期基準の過去最高売上高となったが、営業利益は前年同期比で24%以上減少した。品目関税(25%)により減少した利益は7800億ウォン(約830億円)を超える。
起亜は25日、4-6月期の連結基準の売上高を29兆3496億ウォン、営業利益を2兆7647億ウォンと公示した。売上高は前年同期比6.5%増えたが、営業利益は24.1%減少した。起亜の関係者は「米国の関税発効で損益への影響があったが、主要市場のボリューム成長、高付加価値車両を中心にした平均販売価格上昇、友好的な為替レート効果で収益性を維持できた」と話した。 (中略)
海外販売は前年同期比2.3%増の67万2353台だった。しかし関税の影響を受けた。起亜の金承俊(キム・スンジュン)財経本部長は「起亜は米国の関税の影響を5月から受け始めた」とし「関税という外部の変数がなかったとすれば2けた営業利益率を維持できたはず」と話した。
(引用ここまで)
2024年の日本からアメリカへの自動車輸出金額は6.02兆円。
部品を含めると7.3兆円。
1ドル152円くらいが去年の平均レートなので、自動車輸出金額はドルベースで396億ドル、部品を含めると480億ドル。
どこかにドルベースの数字もあるとは思うんですがとりあえず参考値として。
韓国の自動車輸出金額は347億ドル、部品を含めると429億ドル。
簡単な表組みにしておくか。
自動車 +部品
韓国 347億ドル 429億ドル
日本 396億ドル 480億ドル
経済規模で比べると日韓がかなり競っているというか、韓国から輸出される規模の大きさが分かると思います。
これはアメリカでの現地工場の規模の問題でもあるのですね。
ヒョンデ(ヒュンダイ)・キアはアメリカで建設途中のものも含めて年間生産台数は120万台規模。
これはトヨタ1社分(127万台)にすら及びません。その他、ホンダが100万台、日産が50万台、スバルが36万台、マツダが11万台。
北米全体になるとまた話が変わってくるのですが、アメリカ政府はカナダ・メキシコからの輸入にも関税はかけているのでここではあまり意味がないですかね。
日本にとっても大きな輸出産業であるのは間違いありませんが、韓国にとっては生命線ともいえる輸出規模だといえます。
そして、ヒョンデ自動車は4〜6月期の営業利益が15.8%減。
キアは24%減。
そりゃまあ、韓国政府も必死になって交渉しようとしますわな。
ヒョンデは4月から賦課のはじまった関税を自社で吸収していて、値上げをしていないとのこと。
関税に苦しむ韓国・現代自動車、収益減でも“価格据え置き”を選んだ理由(KOREA WAVE)
「我々はファーストフォロワーなので価格面でも最初に動き出せない」といった事情を抱えている、とのこと。
「ファーストフォロワー」とかいえば聞こえはいいですが、要するに他社の作ったトレンドに丸乗りするだけの企業ってことですからね。
そんな企業が先立って値上げできるわけないと。
両社が固唾を飲んで韓国政府による交渉を見守りつつ、「9月までは値上げしない」と我慢を強いられているのはこんな理由が重なっているのです。
韓国政府にとっても、韓国企業にとっても「(ライバルである)日本から輸出される自動車の関税が15%になってしまった」がために、かなりきついハードルを課されている状況になっているわけですね。
特にアメリカでの製造キャパがそこまででもなく、すぐに対抗手段を積むことができないヒョンデ・キアにとってはなおきついと。
ま、そんなこんなでなおのこと韓国政府は企業から突き上げをくらっているし、焦りまくっているのですよといった解説でした。