ドナルド・トランプ米政府が関税交渉の過程で、韓国政府に事実上降伏宣言に近い要求をしていることが分かった。 政府がどんなカードを出しても受諾可否を明らかにせずにただ「最善のカード」を持ってこいと圧迫している。 自国利益最大化のためのハードバーゲニング（HardBargaining・強圧的交渉）戦略に政府交渉チームは困惑を隠せずに終盤妥結に総力を傾けている。

政府高位関係者は30日、国民日報に「こういう一方的な交渉は初めて」とし「トランプ行政府は韓国がどんな案を出しても互恵的に受け入れず、一方的に強要している」と話した。 続けて「過去の韓米自由貿易協定(FTA)をはじめとする両国間の交渉では国益最大化のために互いに高い要求条件を提示した後に調整してきた歴史があった」として「今は我々が本当の友好国であるのか自責の念があるほど」と吐露した。

米国は、韓国の交渉チームが特定分野の譲歩の意思を示しても、妥結が可能かどうかについて言及していない。 それと共にハワード・ラトニック商務長官は「最高であり、最終の提案を持ってこい」として交渉チームを圧迫したとウォールストリートジャーナルが報道した。 カードをやり取りする通常の交渉とは程遠い。 交渉に精通した当局者は「米国の戦略は結局、最大投資額を受け取ることであり、そのためにトランプがすべての分野に触れている」と話した。

ひとまず政府は、交渉妥結のカギは対米投資規模だと見ている。 与党関係者は「投資規模と方式に対する交渉が完了していないため、他の案は副次的な事案になり交渉がうまく進展しない」と話した。 米国は政府に4000億ドル（約552兆ウォン）規模の対米投資が必要だという立場を明らかにしたという。

交渉で壁を感じた政府の一部では、関税発効を甘受しても時間をかけて交渉を続けようという声も出ている。 しかし、交渉資産が不均衡な状態で追加関税まで賦課されれば、さらに悪条件で交渉するしかないという反論も少なくない。 また、日本と欧州連合(EU)が合意した15%関税率よりさらに高い税率での合意となる場合、韓国商品のグローバル市場競争力が甚大な打撃を受けるだろうという懸念も交渉チーム内部で提起されている。 （中略）

イ大統領は交渉団に対し、「難しい協議であることは承知しているが、5200万人の韓国国民代表として進んでいるだけに堂々とした姿勢で臨んでほしい」と要請した。
（引用ここまで）

　インドへのトランプ関税は25%に決定しました。

トランプ氏、インドに25％関税と「ペナルティー」賦課－８月から（ブルームバーグ）

　「合意のない国は15〜20%になる」とのことでしたが違いましたね。
　そして中国に対しては10%ベースの関税への引き下げを90日間延長することが決定しています。

米中、関税停止の延長で合意　トランプ氏承認待ち　首脳会談の可能性は討議せず（ロイター）

　アメリカ側は「トランプ大統領が最終判断する」としていますが、まあさすがに延長を承認するでしょう。
　10%ベースと言ってはいるんですが、実際にはフェンタニル関連による20%の懲罰関税もあります。
　さらに自動車、部品には25%の関税がかかっている上にきっちり中国に効いているので「まあ、現状はこれでいいか」ってところなのでしょう。



　で、韓国ですが「交渉が交渉になっていない！」と悲鳴を上げています。

　韓国「1000億ドルなら投資できます」 → アメリカ「4000億ドルだ」
　韓国「2000億ドル投資では……」 → アメリカ「断る」
　韓国「3000億ドル」 → アメリカ「断る」

　といった感じでなんの手応えもなし。
　もうアメリカ的には結論は決まっているんですよ、これ。
　25%になるか、15%+4000億ドル（以上）のアメリカへの投資。

　それに加えて安保面でも──

・在韓米軍の「戦略的柔軟性」の確約
・韓国の対中包囲網への参加

　──を確認することになるんじゃないでしょうか。発表自体はまた別口になるか、密約的なものになるかは不明ですが。
　韓国へのこれまで渦巻いていた不信感がそのまま出てきたってところです。
　さて、タイムアップまで残り1日半といったところ。どこまで「交渉」できますかねー。