「日本の船舶はホルムズ海峡を通過させるよう調整」イラン駐日大使が語る―戦争を終わらせるために友好国・日本に求めること
ペイマン・セアダット駐日大使
アメリカとイランの停戦交渉をめぐる情報が錯綜する中、イランのペイマン・セアダット駐日大使に単独インタビューを行いました。長きにわたり、日本と友好関係を築いてきたイランは、先の日米首脳会談をどう評価したのでしょうか。そして今、日本に求めることは…。
【動画で見る】イラン駐日大使に単独インタ 「この戦争を終わらせることができる」【イラン攻撃1か月】
■高市首相は“加担しないようにする姿勢を示した”
ハメネイ師の弔問記帳所
都内にあるイラン大使館の中には、空爆で殺害された、前の最高指導者・ハメネイ師の弔問記帳所が設けられていました。アメリカ・イスラエルによる攻撃開始から1か月、セアダット大使に今の本音を聞きました。
(セアダット大使)
「(前の)最高指導者がいなくなってしまったことに、大きな喪失感を覚えています。残念ながら、今もイランの政府高官に対するテロ攻撃は続いています。私たちは、新しい指導者と、これまでと変わることなく歩み続けます。そのリーダーシップのもと、今後も自分たちの身を守り続けていくでしょう」
イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡について、アラグチ外相は、「我々の敵やその同盟国に対してのみ封鎖されている」としています。先の日米首脳会談で、高市早苗首相はトランプ大統領に対し、ホルムズ海峡の安全確保のために自衛隊の艦船を派遣することは、憲法9条による制約があり難しいと説明したといいます。
(セアダット大使)
「高市首相が憲法上『私たちにできることと、できないことがある』と指摘したことは、極めて重要な点だと思います。アメリカが一方的に国際社会を巻き込んだ今の状況に、日本は加担しないようにする姿勢を示したのだと思います」
ホルムズ海峡で、日本の船を安全に通過させるのは難しいのかを尋ねると….。
(セアダット大使)
「日本のような友好国やその他の国々は、連携を取りながらホルムズ海峡を通過させるよう調整しています。最近、インド、パキスタン、トルコなどの国々と調整して、いくつかの船舶の通過が実現しました。このように通過の調整は行われていますが、我が国と戦争状態にある敵対勢力は、通過させません。イランが海峡を戦場に変えたのではなく、アメリカが戦場にしたのです」
■日本とイラン、友好関係の歴史…いま日本に何を求める?
写真:共同通信社
他国に対し、「敵」であるかどうかを見極めるというイラン。実は日本と深いつながりがあります。
1953年、「日章丸」という日本のタンカーが、イラン産の原油を世界で初めて輸入しました。当時、イランが石油を国産化したところ、イギリスが反発し、海上封鎖を行いました。しかし「日章丸」は、その監視網をかいくぐって輸送し、イラン国民が好感を持ったといいます。
田中角栄元首相
1973年には、第四次中東戦争が勃発し、トイレットペーパーなどがなくなることを懸念した消費者が店に殺到しましたが、当時イランなどと独自外交を展開していた田中角栄政権は、中東諸国と連携を強化し、オイルショックを乗り切りました。このとき、国の石油備蓄も決めます。
また、文化交流も深まりました。幾多の苦難を乗り越えて成長する女性を描いた日本のドラマ「おしん」がイランで放送され、90%を超える視聴率を記録しました。
(セアダット大使)
「『おしん』は、80年代、サダム・フセインとの戦争中(イラン・イラク戦争)にイランのテレビで放送されました。おしんは勤勉で不屈の精神を持つ女性です。それが戦争中の私たちの不屈の精神と重なり合ったのです」
日本・イラン友好議員連盟の総会
3月26日、セアダット大使は、自民党の日本・イラン友好議員連盟の総会に参加しました。この議連の会長を務めているのは岸田文雄元首相です。
(岸田元首相)
「日米同盟を基軸としながら伝統的な友好関係を維持してきたイランとの関係、このバランスをしっかりとりながら、国益をどう守っていくのか」
読売テレビニュース
いまイランが日本に期待することは…
(セアダット大使)
「日本は広島と長崎への原爆投下という最も悲惨な戦争を経験した国であり、これは人類史において最も悲痛な出来事の一つです。だからこそイランを含む世界中の人々が、日本国民、とりわけ被爆者に対して、これほどの共感を寄せているのです。日本は今、国際社会の先頭に立って、ほかの国々と共に、外交によって、この戦争を終わらせることができると思います」
イラン「米国と取引する韓国船、ホルムズ通過認めず」
サイード・クーゼチ駐韓イラン大使は26日、「韓国は(イランの)非敵対国だ」としつつも、「米国とイスラエルが利益を得るいかなる活動もイランの制裁対象だ」と述べ、米国と取引する韓国船のホルムズ海峡通航を制限する考えを示した。 クーゼチ大使はこの日午前、ソウル竜山区(ヨンサング)の在韓イラン大使館で開かれた記者会見で「韓国は非敵対国に含まれる」とし、「韓国政府が米国の提案する合意に参加していない点について感謝している」と述べ、友好関係を強調した。これは、イランが24日(現地時間)、国際海事機関(IMO)に「非敵対国の船舶に限り通過を許可する」とする内容の書簡を送付した後、韓国が非敵対国に含まれることが初めて確認されたものだ。 続けて「海峡を通過するためには必ずイラン政府との事前合意が必要だ」とし、「最近の韓・イラン外相電話会談で、イラン側が韓国船舶の詳細な情報の提供を公式に要請した」と説明した。これに先立ち、セイエド・アッバス・アラグチ外相は23日、趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官との初の電話会談でこのような立場を直接伝えたという。 しかし、ペルシャ湾で米国が投資して生産した原油を積載した韓国船の通航問題については、「戦時状況において米国企業の活動を遮断・制限することはイランの防衛論理だ」として否定的な立場を示した。これに先立ちクーゼチ大使は同日午前、CBSラジオ『パク・ソンテのニュースショー』に出演し、「韓国がイランと友好的関係にあっても、米国企業が投資した油田施設を利用する石油・ガスは航行できないのか」との質問に「その通りだ」とし、「米国企業と取引する企業は戦時状況において制裁対象となる」と答えた。現在ホルムズ海峡に停泊している韓国船26隻のうち、米国の資本や技術が投入された企業と関連する船舶は海峡の通過が難しいとみられる。 これに関連し、韓国政府はイラン側から当該方針の伝達を受けていないとの立場を示している。「米国企業と取引する船舶も通航制裁を受け得る」といういわば二次制裁的性格の措置は、23日の両国外相電話会談などでは言及されていないという。両国間で本格的な船舶通航協議も行われていないとされる。ただし外交関係者の一部では、イランがIMOに送付した書簡の内容を恣意的に拡大適用する可能性があるとみている。 イランはこのようにホルムズ通航の可能性を掲げて非敵対国に働きかける一方、米国に対しては強硬な姿勢を崩していない。アラグチ外相は25日、「現在、現在、米国との対話は全くない」として交渉の進展を否定した。 これに先立ち24日、キャロライン・レビット米ホワイトハウス報道官は、イランとの戦争終結に向けた交渉が続いているとし、「我々は作戦の中核目標の達成に非常に近づいており、当初からこの任務の完了には4~6週間かかると見込んでいた」と述べた。また今月末に予定されていたトランプ大統領の中国訪問および米中首脳会談が5月14~15日に調整されたとし、それ以前に終戦の可能性があることを示唆した。同時にイランが敗北を認めない場合、「地獄をもたらす準備ができている」と強く圧力をかけた。 一方、タイムズ・オブ・イスラエルは26日、イランのホルムズ海峡封鎖を主導してきたイスラム革命防衛隊(IRGC)の海軍司令官、アリレザ・タンギシリ氏が、イラン南部バンダルアッバースで空爆を受け死亡したと報じた。
「日本の船舶はホルムズ海峡を通過させるよう調整」イラン駐日大使が語る―戦争を終わらせるために友好国・日本に求めること
ペイマン・セアダット駐日大使
アメリカとイランの停戦交渉をめぐる情報が錯綜する中、イランのペイマン・セアダット駐日大使に単独インタビューを行いました。長きにわたり、日本と友好関係を築いてきたイランは、先の日米首脳会談をどう評価したのでしょうか。そして今、日本に求めることは…。
【動画で見る】イラン駐日大使に単独インタ 「この戦争を終わらせることができる」【イラン攻撃1か月】
■高市首相は“加担しないようにする姿勢を示した”
ハメネイ師の弔問記帳所
都内にあるイラン大使館の中には、空爆で殺害された、前の最高指導者・ハメネイ師の弔問記帳所が設けられていました。アメリカ・イスラエルによる攻撃開始から1か月、セアダット大使に今の本音を聞きました。
(セアダット大使)
「(前の)最高指導者がいなくなってしまったことに、大きな喪失感を覚えています。残念ながら、今もイランの政府高官に対するテロ攻撃は続いています。私たちは、新しい指導者と、これまでと変わることなく歩み続けます。そのリーダーシップのもと、今後も自分たちの身を守り続けていくでしょう」
イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡について、アラグチ外相は、「我々の敵やその同盟国に対してのみ封鎖されている」としています。先の日米首脳会談で、高市早苗首相はトランプ大統領に対し、ホルムズ海峡の安全確保のために自衛隊の艦船を派遣することは、憲法9条による制約があり難しいと説明したといいます。
(セアダット大使)
「高市首相が憲法上『私たちにできることと、できないことがある』と指摘したことは、極めて重要な点だと思います。アメリカが一方的に国際社会を巻き込んだ今の状況に、日本は加担しないようにする姿勢を示したのだと思います」
ホルムズ海峡で、日本の船を安全に通過させるのは難しいのかを尋ねると….。
(セアダット大使)
「日本のような友好国やその他の国々は、連携を取りながらホルムズ海峡を通過させるよう調整しています。最近、インド、パキスタン、トルコなどの国々と調整して、いくつかの船舶の通過が実現しました。このように通過の調整は行われていますが、我が国と戦争状態にある敵対勢力は、通過させません。イランが海峡を戦場に変えたのではなく、アメリカが戦場にしたのです」
■日本とイラン、友好関係の歴史…いま日本に何を求める?
写真:共同通信社
他国に対し、「敵」であるかどうかを見極めるというイラン。実は日本と深いつながりがあります。
1953年、「日章丸」という日本のタンカーが、イラン産の原油を世界で初めて輸入しました。当時、イランが石油を国産化したところ、イギリスが反発し、海上封鎖を行いました。しかし「日章丸」は、その監視網をかいくぐって輸送し、イラン国民が好感を持ったといいます。
田中角栄元首相
1973年には、第四次中東戦争が勃発し、トイレットペーパーなどがなくなることを懸念した消費者が店に殺到しましたが、当時イランなどと独自外交を展開していた田中角栄政権は、中東諸国と連携を強化し、オイルショックを乗り切りました。このとき、国の石油備蓄も決めます。
また、文化交流も深まりました。幾多の苦難を乗り越えて成長する女性を描いた日本のドラマ「おしん」がイランで放送され、90%を超える視聴率を記録しました。
(セアダット大使)
「『おしん』は、80年代、サダム・フセインとの戦争中(イラン・イラク戦争)にイランのテレビで放送されました。おしんは勤勉で不屈の精神を持つ女性です。それが戦争中の私たちの不屈の精神と重なり合ったのです」
日本・イラン友好議員連盟の総会
3月26日、セアダット大使は、自民党の日本・イラン友好議員連盟の総会に参加しました。この議連の会長を務めているのは岸田文雄元首相です。
(岸田元首相)
「日米同盟を基軸としながら伝統的な友好関係を維持してきたイランとの関係、このバランスをしっかりとりながら、国益をどう守っていくのか」
読売テレビニュース
いまイランが日本に期待することは…
(セアダット大使)
「日本は広島と長崎への原爆投下という最も悲惨な戦争を経験した国であり、これは人類史において最も悲痛な出来事の一つです。だからこそイランを含む世界中の人々が、日本国民、とりわけ被爆者に対して、これほどの共感を寄せているのです。日本は今、国際社会の先頭に立って、ほかの国々と共に、外交によって、この戦争を終わらせることができると思います」
イラン「米国と取引する韓国船、ホルムズ通過認めず」
サイード・クーゼチ駐韓イラン大使は26日、「韓国は(イランの)非敵対国だ」としつつも、「米国とイスラエルが利益を得るいかなる活動もイランの制裁対象だ」と述べ、米国と取引する韓国船のホルムズ海峡通航を制限する考えを示した。 クーゼチ大使はこの日午前、ソウル竜山区(ヨンサング)の在韓イラン大使館で開かれた記者会見で「韓国は非敵対国に含まれる」とし、「韓国政府が米国の提案する合意に参加していない点について感謝している」と述べ、友好関係を強調した。これは、イランが24日(現地時間)、国際海事機関(IMO)に「非敵対国の船舶に限り通過を許可する」とする内容の書簡を送付した後、韓国が非敵対国に含まれることが初めて確認されたものだ。 続けて「海峡を通過するためには必ずイラン政府との事前合意が必要だ」とし、「最近の韓・イラン外相電話会談で、イラン側が韓国船舶の詳細な情報の提供を公式に要請した」と説明した。これに先立ち、セイエド・アッバス・アラグチ外相は23日、趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官との初の電話会談でこのような立場を直接伝えたという。 しかし、ペルシャ湾で米国が投資して生産した原油を積載した韓国船の通航問題については、「戦時状況において米国企業の活動を遮断・制限することはイランの防衛論理だ」として否定的な立場を示した。これに先立ちクーゼチ大使は同日午前、CBSラジオ『パク・ソンテのニュースショー』に出演し、「韓国がイランと友好的関係にあっても、米国企業が投資した油田施設を利用する石油・ガスは航行できないのか」との質問に「その通りだ」とし、「米国企業と取引する企業は戦時状況において制裁対象となる」と答えた。現在ホルムズ海峡に停泊している韓国船26隻のうち、米国の資本や技術が投入された企業と関連する船舶は海峡の通過が難しいとみられる。 これに関連し、韓国政府はイラン側から当該方針の伝達を受けていないとの立場を示している。「米国企業と取引する船舶も通航制裁を受け得る」といういわば二次制裁的性格の措置は、23日の両国外相電話会談などでは言及されていないという。両国間で本格的な船舶通航協議も行われていないとされる。ただし外交関係者の一部では、イランがIMOに送付した書簡の内容を恣意的に拡大適用する可能性があるとみている。 イランはこのようにホルムズ通航の可能性を掲げて非敵対国に働きかける一方、米国に対しては強硬な姿勢を崩していない。アラグチ外相は25日、「現在、現在、米国との対話は全くない」として交渉の進展を否定した。 これに先立ち24日、キャロライン・レビット米ホワイトハウス報道官は、イランとの戦争終結に向けた交渉が続いているとし、「我々は作戦の中核目標の達成に非常に近づいており、当初からこの任務の完了には4~6週間かかると見込んでいた」と述べた。また今月末に予定されていたトランプ大統領の中国訪問および米中首脳会談が5月14~15日に調整されたとし、それ以前に終戦の可能性があることを示唆した。同時にイランが敗北を認めない場合、「地獄をもたらす準備ができている」と強く圧力をかけた。 一方、タイムズ・オブ・イスラエルは26日、イランのホルムズ海峡封鎖を主導してきたイスラム革命防衛隊(IRGC)の海軍司令官、アリレザ・タンギシリ氏が、イラン南部バンダルアッバースで空爆を受け死亡したと報じた。


