
大手電機メーカー「日立製作所」は、ヨーロッパの鉄道車両の市場を開拓するため、現地の既存の規格で新たな車両を開発してコストの削減を図り、今後イギリスをはじめヨーロッパでの受注の拡大を目指すことになりました。
日立製作所が開発したのは最高時速160キロの通勤車両で、幅広い座席スペースに加え、車内での検札をスマートフォンで済ますことができるシステムを備えるなど先端の技術を導入しています。
日
立は、これまで鉄道会社の要望に応じて車両を設計し、日本で製造して海外に輸出してきましたが、この方法では設計や輸送のコストがかかり、海外でのシェア
を伸ばすうえで課題となってきました。このため今回は、部品や構造などを共通化させたヨーロッパの既存の規格で新たな車両を開発し、イギリスで建設中の工
場で製造することで、設計や輸送のコストの削減を図る方針です。
世界の鉄道車両製造の分野では、カナダの「ボンバルディア」や、フランスの「アルストム」など欧米の3社が高いシェアを持っていますが、日立もイギリスで高速鉄道の車両の製造などを受注するなど競争が激しくなっています。
日立は、新たな車両の開発でさらに受注を拡大したい考えで、日立レールヨーロッパのアリステア・ドーマーCEOは、「鉄道の分野はイギリスで需要が拡大しているほか、ヨーロッパでも機会があり、今回の車両は、ヨーロッパで活用できると考えている」と述べました。
日立の海外での鉄道事業
日立製作所は、鉄道事業の売り上げを昨年度の1682億円から、2016年度には2400億円に増やす計画で、このうち海外が占める割合を35%から65%に引き上げる目標を掲げています。
海外での事業拡大の原動力になるとみられるのがイギリスです。
日立は、おととし7月、老朽化したイギリスの高速鉄道の車両を更新する事業で596両の車両の製造などを受注したのに続き、去年7月にも、イギリス政府から270両の車両の製造を追加受注しました。
大型の受注を受けて、日立は、イギリス国内に工場を建設することを決定し、受注した合わせて866両に上る車両の大半をこの工場で製造する計画です。
さ
らに日立は、ヨーロッパでの鉄道事業の拡大に向け、意思決定を速める必要があるとして、イギリスに鉄道事業のトップを務める責任者を配置するとともにイギ
リスを海外事業の中心に据えました。こうした取り組みを通して日立は、イギリスをはじめとするヨーロッパで圧倒的なシェアを持つカナダの「ボンバルディ
ア」とフランスの「アルストム」、それにドイツの「シーメンス」のいわゆるビッグ3に対抗し、受注拡大を目指す方針です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140722/k10013179351000.html
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