
ロンドンに到着したユーロスター。より確実な交通手段として人気が高まっている
欧州各地の空港を閉鎖に追い込んだアイスランドの火山灰は、人々の移動手段に対する志向にも影響を及ぼしている。空の混乱が続く英国では、列車やフェリーの予約数が急伸している。
英ヴァージン・グループ傘下の鉄道会社ヴァージン・トレインズは、ロンドン-スコットランド間の路線で需要が拡大したと発表。英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターも旅行シーズンに当たる夏の予約状況が好調だ。ステナ・ライン、アイリッシュ・コンチネンタル・グループのフェリー会社2社においても、予約数の急上昇が続いているという。
アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河にある火山が噴火を始めたのは4月14日。以後の6日間で10万便が欠航となり、その損失額は17億ドル(約1560億)とされる。噴火がやむ気配はなく、欧州全域で空港閉鎖が相次ぐ状況だ。前回噴火した際には活動が2年間続いたため、専門家は今回についても航空業界への影響が長引くとの見方を示している。
英オンライン旅行代理店トラベルスーパーマーケット・ドット・コムのコンサルタント、ボブ・アトキンソン氏は「旅行者にとって航空便の予約は大きな賭けになりつつある」と指摘。「勝者はフェリー、鉄道各社、それから英国内の観光業界だ。この夏は飛躍的な売り上げアップが期待できるだろう」との認識を示した。
アイリッシュ・コンチネンタルのエイモン・ロスウェル最高経営責任者(CEO)は、「われわれにとっては火山灰が好材料となっている。帰りの足を確実に確保した上で休暇を楽しみたいと思うのが心情だ」と話す。
ユーロスターは4月の噴火開始当初、65本の臨時列車を増発させ10万人を運んだ。広報担当のマリー・ウォルシュ氏は火山灰が「高速鉄道に対する人々の視点を変えた」と語った。
ヴァージン・トレインズの広報担当、アラン・マクリーン氏も「計画性のある旅行客は、不確定要素が大きい航空便より鉄道を選択する。確実に持続が期待できるプラス効果がもたらされた」と述べた。
ステナ・ラインの広報担当、ナイジェル・ティルソン氏は航空便にはない利便性を強調。「面倒な荷物検査やチェックインも必要なければ、基本サービスに追加料金を割り増し請求されることもない。多くの利用客に快適な旅を実感してもらいたい」とアピールしている。
(ブルームバーグ Steve Rothwell、Louisa Fahy)
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