
東京―名古屋―大阪を結ぶ新たな日本の大動脈として、JR東海が計画中の「リニア中央新幹線」の実現可能性を話し合ってきた国土交通省の審議会は21日午後、建設計画を認める最終答申案をまとめた。日本が長年にわたり開発を進めてきた、電磁力で浮き上がって走る「夢の超特急」に事実上のゴーサインが出ることになる。
東日本大震災を機にリニアの耐震性が注目されたが、答申案では、停電しても電磁力で浮いた状態が保てるほか、側壁の間を走るため脱線しにくいこと、最高時速は500キロメートルと新幹線の約1.7倍だが、ブレーキ性能も2倍なので急減速できるといった点から「地震の安全確保は確認できた」とした。
このほか、答申案では、JR東海をリニアの建設・営業主体として適当と認めたほか、ルートは東京―名古屋間を ほぼ直線で結ぶ「南アルプスルート」が「経済効果が最も高い」との理由で適当とした。
大規模災害などで東海道新幹線が不通になった時の「バイパス機能」としての重要性も強調し、JR東海の計画を ほぼ大筋で認める内容になった。
前原誠司国交相(当時)が昨年2月、JR東海からの申請を受け、国交省交通政策審議会に対し、リニア整備計画の安全性や妥当性について諮問。1年あまり議論が続けられていた。
今回の答申案に一般からの意見を求めたうえで、5月中にも大畠章宏国交相に答申する。整備計画が正式決定されれば、大畠国交相は、JR東海に対して建設の指示を出すことになる。
JR東海の計画では2014年度に着工。東京―名古屋間で27年に開業し、45年には大阪まで延伸する予定。
レールも架線もなく、超高速で走るリニアは1970年代から「夢の超特急」と目されてきたが、具体化には技術面や金銭面で障害が多く、実現のめどは たたなかった。
そんな「夢物語」に政府がゴーサインを出すのは、8兆円を超す建設費を自ら出すJR東海の財務力や技術力を認めた点が大きい。ただ、ルートの7割以上が、深さ数十メートル超の地下や山岳を貫くトンネルだったり、活断層を横切ったりする建設工事は大規模で前例もないだけに、難航も予想される。
http://www.asahi.com/national/update/0421/NGY201104210007.html