
Vol.16 ミラノ
ベネチアからフランスのニースをめざす。イタリア北部を横断していく列車旅である。長距離の寝台列車に揺られる旅は、昼の特急列車やローカル列車を乗り継ぐ西欧の旅に変わっていった。乗り継ぎ時間も短い。小雨のベネチアから、寒気が忍び寄るミラノ、そしてジェノバ。そこから海に沿った線路を列車は西へ、西へと進んでいった。予定通りに運行する列車。あまりにスムーズに進む列車に、もう旅は終わったような気になってくる。しかしそれは甘かった。

ベネチアから乗ったのは、ミラノ行きのユーロスターシティという特急だった。頭や体のあちこちがかゆくなってくる。トルコのカルス以来、1回もシャワーを浴びていない。もう6日目である。体の汚れが気になり、座席にうずくまるように座って旅を続けた。

予定通りに列車はミラノに到着した。大きな駅だった。ホームに流れ込む冷気には冬の気配すらあった。7月にシベリアを出発してから4カ月。もう10月の末である。長い列車旅は、いくつかの季節を通過してきた。もう旅も終盤である。

ミラノ駅の乗り継ぎ時間は30分。昼食をとるには、このタイミングしかない。イタリアといったらピザでしょ……とみつけたのは、「ピザリア」というファストフード風のピザチェーン。そこでひとつ2ユーロのできあいピザ。これが最初で最後のイタリア料理だった。寂しい。

ミラノ駅は立派なつくりの駅だった。短い乗り継ぎ時間に、垣間見ただけでも、その歴史が伝わってくる。これまでも立派な駅をいくつも見てきたが、風格が違う。やはりイタリアなのだ……と、列車時間を気にしながら、見あげていた。

ミラノからはローマ行きに乗った。途中のジェノバで乗り換えることになる。1時間半ほどの南下行きである。ジェノバの乗り換えは17分しかない。このテーブルで地図を眺める。ジェノバはリグリア海の港。アドリア海に面したベネチアから5時間ほどでリグリア海に出てしまうことになる。

ジェノバからは、リグリア海に沿ったローカル線だった。はじめこそ、ジェノバに買い物にきたおばさんや学生が席を埋めたが、しだいに彼らも降り、車内は閑散としてきた。海をながめようと思うが、トンネルがやたら多くて、ちょっとつまらない路線だった。

途中駅に暇そうな女性駅員が立っていた。夏のシーズンには仕事も多いのだろうが、いまは10月。乗客の少ないローカル列車が思い出したようにやってくるだけだ。どことなく間延びした空気が車内やホームに流れていた。


これは10月のリグリア海。海岸にはほとんど人もいない。犬を連れた老人が散歩をしている姿が寂しさを誘う。季節外れのリゾートはこんなものだろうか。日本でいったら、冬の湘南海岸といったところ? 吹く風も冷たかった。


ベンティミーリアからモナコ・モンテカルロ行きに乗り換えた。いろんなタイプの席がある観光列車風のつくりだった。夏なら家族連れで賑(にぎ)わうのだろうが、その車内に僕らだけ。よけいに寂しさが募ってしまう列車だった。

日本人ならきっと誰でも知っているモナコ・モンテカルロ。どんなに華やかな駅かと想像していたら、トンネル内の駅でした。これでは街を眺めることもできない。車内放送はフランス語に変わった。入国審査のない国境通過である。


夜の10時をすぎて開いているのは、駅前のバーが1軒。季節外れのニースはそんなものだった。外は雨。静まりかえった店内には、サッカー中継の声だけがむなしく響いていた。今日はゆっくり眠ろう。動かないベッドで寝るのは6日ぶりである。

篠突(しのつ)く雨のなかをニース駅に向かう。朝5時。前夜、この駅で切符を買ったが、マルセイユまで。フランスでは政府の年金削減案に反対する公務員のストライキが起き、運休が相次いでいたのだ。果たしてポルトガルまで行くことができるのだろうか。

マルセイユまでの切符。発車時刻は午前5時56分となっているが、発車は5時30分だと駅員から伝えられていた。しかし6時になっても列車は動かなかった。この列車も運休? しかし1時間遅れでなんとか発車。マルセイユには1時間半遅れで到着。さて、その先は……。
※写真は2010年10月24日~25日の取材で撮影したものです
※各国の現在の情勢については、外務省の海外安全ホームページなどでご確認ください

(更新日:2011年09月09日)
http://doraku.asahi.com/earth/clickdeep/110909.html
================================

================================
こいつの不潔自慢は読んでて気分が悪いな。
それでもやっと風呂に入ったか。
( ´-д-)
さて、西欧の大きい駅は、
数本のホームをすっぽり覆う大きなドームが印象的だねぇ。
日本ではなかなか見掛けることのない造りで。
( ´・ω・)b
でも、頭端式ホームで跨線橋や地下連絡通路がないと、
乗換えが大変そうだなぁ。
バリアフリーではあるけれども。
( ´・д・)
フランスで食うタイ人が作る中華料理。
何だかインターナショナルだなぁ。
(;´-ω-)
しかし・・・ストライキねぇ。
( ´・д・) ハァ…
~ 以上 ~