お台場にある「船の科学館」に行ってきました。9月末で休館となり、譲渡先を募集している国鉄・JR北海道の青函連絡船「羊蹄丸」なども見てきましたが、まずは本館を中心に紹介します。

船の科学館の敷地入口。住所としては、実物大ガンダムが設置されていた都立潮風公園と同じく、品川区東大井ですが、ホテルグランパシフィックLE DAIBA(港区台場)や日本科学未来館(江東区青海)にも近接しています。

屋外展示物が色々あり、これは「ヤマト1」という世界初の超電導電磁推進船の推進装置の解説です。

三菱重工業と東芝が製造した推進装置のうち、東芝が製作したものが展示されています。

年季が入った自動ドアで館内へ。

200円を払って中に入ります。通常は700円ですが、休館前の謝恩価格で200円になっています。

1Fにある『船のあゆみ』コーナー冒頭で見られる「ピサの古代船」。イタリア・トスカーナ州で発見された紀元前2世紀頃の船を再現した模型。発掘された物を3Dグラフィックでデータ化し、立体加工ロボットで削り出した、イタリアの伝統的な木工職人が加工したとのこと。2001年の「日本におけるイタリア年」に際し開催された「イタリアン・テクノロジー展」に出展、ピサ県知事のヌネフ氏が日伊友好の印として船の科学館に寄贈したそうです。
戦列艦「ヴィクトリー」。1765年に建造されたイギリスの船。1805年のトラファルガーの戦いで、フランス・スペインの連合艦隊を破った。今もポーツマス港にあり、戦列艦としては世界最古の現役艦です。
模型だけでなく、イラストの展示もあります。これは蒸気船「ジャパン」。1840年代に設立されたパシフィック・メイル(太平洋郵船)社が、「グレート・リパブリック」や「チャイナ」、「アメリカ」と共にアメリカ-香港を結ぶ太平洋航路に就航させた船。サンフランシスコ-横浜の航海日数は22日だったと書いてあります。
イギリス・キュナード社の客船「モレタニア」(モーリタニア)。1907年11月に竣工、世界最速の客船として北大西洋横断航路を4日で横断することに成功し、22年間にわたりブルー・リボンを獲得しました。しかし、1929年にドイツの客船「ブレーメン」の登場によって、その座を奪われ、1935年には解体されたそうです。
日本初のオイルタンカー「紀洋丸」。東洋汽船(のちに分割・合併を経て日本郵船)が三菱長崎造船所に発注、1909年に竣工・進水。就航直後、原油の輸入が困難になったことから、いったん貨客船に改造し中南米への開拓移民輸送に使われました。その後、1920年に香港から南米へ向かっている最中に火災損傷、復旧工事でオイルタンカーに戻され、1935年まで活躍しました。
戦後の高度経済成長期に登場した、大型高速コンテナ船「えるべ丸」。大阪商船三井船舶(現在の商船三井)が三井造船に発注し、1971年進水、1972年竣工。
『船のしくみ』『船をうごかす』『船をつくる』というコーナーに入っていきます。「アルキメデスの原理」や「浮力」などの展示物は割愛で・・・。色々と船のエンジンが展示されています。小型ディーゼル機関の開発に尽力し、その普及や改良に貢献したヤンマーディーゼル創立者、山岡孫吉氏の功績をたたえて1957年にM・A・N社から寄贈された世界初のディーゼルエンジン(レプリカ)も展示されています。
暗くて映りが悪かったので、図面で勘弁。
高さが9.49mもある三菱UEディーゼル機関。1953年に三菱造船(現在の三菱重工業)が試作した3気筒3700馬力の実験エンジン。1954年に日本郵船の「讃岐丸」に9気筒12000馬力の1号機が搭載され、2007年には生産類型が3000万馬力を超えました。
『船のしくみ』を解説するために使われている東日本フェリーの「へるめす」。1990年竣工の比較的新しい船ですが既に売却済みで、東日本フェリーという会社自体、既にありません。
今は「SOPHOCLES V」としてギリシャ-イタリアの国際航路で活躍しているようです。
2Fにあがると、『船がはこぶ』というコーナーがあり、海運について色々と展示されています。
日本で現在、乗船できる長距離フェリー(東日本方面)。この左手には「阪九フェリー」や「オーシャン東九フェリー」など西日本方面のフェリーが紹介されています。
『にっぽんの海』『海を守る』などのコーナー。「これが日本の海だ!」と紹介されています。
戦艦「大和」。精巧に作られている数少ない模型の一つです。
3Fでは夏休みということで、小学校低学年程度の子ども向けの工作教室をやっていました。
同じく3Fにある『和船』コーナー。和船の中でも有名な「北前船」。「北前」とは北日本を意味し、「北前船」は弁才船の一地方形式を指す名称。「北前船」は物だけでなく、民謡や方言など文化の伝播にも重要な働きをした。大量の荷物を積み込むため、「菱垣廻船」など他の弁才船と比較して、前後のそりが大きくなっているのが特徴。
秋田県の男鹿半島で使われていた「丸木舟」。1本の杉をえぐって造るので、「エグリブネ」とも呼ばれる。縄文時代から1990年頃まで漁師達が使用していたが、現在ではこうした博物館などの展示でしか見ることができない。
船の科学館の見学は、まだまだ続きます。