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▲大韓毎日申報の虚偽掲載広告

前回はベセルの大韓毎日申報社の報償金の取扱について見ましたが、今回は国債報償志願金総合所（以下、総合所）の報償金の取扱について、総合所の規程という観点から見ていきましょう。

それでは、1907年（光武11年）3月28日付大韓毎日申報に掲載されている総合所の規程を見ましょう、

最初に注目するのは第4条です。

第四条　本所総合金額은毋論内外国고信実銀行에姑令随人任置야以完償還이되随到按朔計殖여担任該銀行되其契約은一依第五条판法야無違施行事
第4条　総合所の報償金は韓国外国を問わず信実たる銀行にまず預け入れさせ、報償金を償還し終えるに到るまで利殖の計画を任せ、該銀行はその契約を第5条によって違うことなく施行すること。

内外国を論じず信実たる銀行に預けるとあるので、報償金を電気会社内銀行から仁川淮豊銀行へ預け替えること自体は違反行為とは言えないでしょう。しかし、それは総合所役員が預け替えを行なっていればの話であり、総合所の役員ではなく何の権限も有しないベセルが行なっていいことではないでしょう。
無論、預け替えた報償金を金鉱の株購入・マルタンへの融資に使ったことは、言い逃れようのない完全な横領であり、総合所規程第6条に明白に違反する行為です。

第六条　外債報償事外에該銀行領受人이毋得許推事
第6条　外債報償することの外に該銀行領受人は引き出しを許すことを得ない。

但し、第25条あるいは第29条に定められているように、重要事項や規程にない事項については随時評議会で議定することができます。

第二十五条　本所総会毎箇月第一日曜日下午一時로評議会第三土曜日下午七時로開会事
　但緊要事項이有時臨時開会事
第25条　総合所の総会は毎月第一日曜日午後1時、評議会は第3土曜日午後7時に開会すること。但し緊要事項がある時は臨時に開会すること。

第二十九条　本規程에未備事項과応行細則은評議会에셔随時議定事
第29条　本規程に無い事項と対応の細則は評議会で随時議定すること。

つまり、部外者が預け替えに関与するという総合所規程に言及のない行為については、毎月第3土曜日の定例の評議会、あるいは緊急重要事項として臨時に開会する評議会で、許可承認を与えることは不可能というわけではありません。あ、投資・貸付への許可承認は第6条に明白に違反するので、許可承認なんて与えられませんよ。
しかし、評議会によってそのような許可承認がなされた形跡はありません。後で見る警秘収第7764号にあるように、この預け替えはベセルが総合所長尹雄烈の許諾を受けて行なったもののようですが、そもそも、預け替えは重要なことであり、評議会で討議せず所長が決定したということ自体がダメでしょうね。

なお、第8条には「但随事業年期規式 야総額与利殖을並詳広告事：但し期間の決まった事業については総額と利益を詳しく広告すること」とありますが、これは銀行の行為に対する条文なので、総合所が報償金を運用することを指してはいません。

さて、namは マルタンへの事業融資に於いて、下記のような発言をしております。

namgaya33 07-20 22:24:22
マルタンにお金を貸してくれてその利子で出たお金で総合所職員たちの月給を与えただと梁起鐸とマルタンが証言しましたベセルが個人用途で補償金を消費した
namgaya33 07-20 22:26:43
証拠は発見されなかったので横領したとできないと思います

namgaya33 07-25 19:59:23
本文で>>ベッセルがわがままマルタンに補償金を融資してくれたと書いているが梁起鐸の証言は国債補償支援金総合所の一部職員たちが月給を受ける願うと
namgaya33 07-25 20:13:08
ベセルに言ったしベセルはマルタンにお金を貸してくれてそこから出た利子で職員たち月給を用意したことで梁起鐸は分かっていました

ベセルは、マルタンに貸し付けた報償金の利子を総合所員の給料を充てた、というのですが…
たしかに、警秘収第7764号「ベセルが詐取した国債報償金返還請願に関する件」（『統監府文書4』p376収録）に添付されている尹雄烈の請願書には、それをうかがわせる記述はあります。

　前軍部大臣尹雄烈より大韓毎日申報内に設立せる国債報償総合所長として募集せる金額中金三百円を英国人「ベセル」に詐取せられたりと称し其返還を英国領事に照会せられんことを請願せり其請願書別紙添文の如し右及報告候也

隆煕二年八月二十三日　　　　　

内部警務局長　松井　茂　　

　　　　　　　　副統監　曾禰　荒助　殿
○別紙
　　請願人

尹雄烈　　

　右請願の事実は本人昨今田中中宗氏の推薦に由り国債報償総合所長となりしも知識なく又老年にて常時不健康なるを以て百方之を辞せしも遂に意の如くならす其時総合所は英国人発行大韓毎日申報社なる故之に赴き役員及入金取扱等を尋ねたるに財務監督兼事務長朴容奎の答に役員は名簿に見られ外受入金は所長出席前は副所長金宗漢と財務監督たる自分と会計梁起鐸の連署にて鍾路韓英電灯会社内銀行に預入るとの事にて別に不合意の廉もなく又既往の事にして此名義を主とする場合故其儘に為し居たり昨今六日の騒擾の後より会議も為し難く諸般事務を整理し能はさりしのみならす各道よりの入金も僅少にて本所の経費を支保する能はさるを心配せしか本年二月の初に至り「ベツセル」より会見を求めし故翌日彼を往訪せしに朴容奎の通訳にて本人に語て曰く電気会社の利子は三円二三厘なるものゝみにあらす不信用なれは該金額中三万円丈仁川の匯香銀行に預替すれは利子も六厘にて利害殊に明に且本所の経費も心配なしとの事故孰れも西洋人の銀行なれは本人は其確実と否とを知るに由なし只貴下其確実なる所へ貯置せられよ但人民の引付に来る日には遅滞なく払渡されたしと述へしに其後三十日に「ベツセル」より人を以て一片の横文書を送り未た是は三万円予替の手形なれは之に捺印せられたしと依て其言に従ひたるに今日に聞く所にては該三万円「ベツセル」に於て随意弄奸し米人「コールブラン，ボストウヰツク」の金礦株を買たりと云ひ仏国人旅館に貸付たりと云ふにて三万円を本所に還納せす種々曖昧の説あり是れ大に法理に違ふのみならす英国人にして韓国人民の熱血中より出せる義金を濫用せる奸状此の如く露出せるも少も慚愧せす一向還給せさるに付ては私力にては如何とも致し難し依て茲に請願を乞ふ英領事館に照会し韓国人民の義金四万二千八百六十三円三銭を元利共に「ベツセル」より本人へ還付する様希望す

隆煕二年八月十七日

　　　　　　　　　内部大臣　宛

でもねぇ…総合所規程第26条を見ましょう。

二十六条　本所나支収所에一応経費각其所員이担当하고或賛成금이나寄附금으로支用하되義捐금中에셔一分犯用이無케事
第26条　総合所と支所の経費はその所員が担当し、賛成金や寄附金で支弁（支用）するが、義捐金中からはわずかでも使い込み（犯用）が無いようにすること。

総合所の経費は所員が負担し、賛助金や寄附金から捻出するけど、報償金をわずかでも使ってはいけないと定められているのです。というわけで、報償金そのものではなく利子を充てると言っても、最初に報償金を運用する以上、この第26条に違反する行為となります。

このように、ベセルが総合所の報償金の取扱に際してとった行為は、悉く総合所規程に違反するものだったのです。無論、それを制止せず、また預け替えを認めてしまった尹雄烈所長にも相応の責任はあるでしょうけどね。

しゃおこー★お遊び中

前回と今回のスレ、ブログ原稿の使い回しなのｗ