
【1:豊洲駅(Toyosu)、2:枝川地区新駅、3:東陽町駅(Toyocho)、4:四ツ目通り新駅、5:住吉駅(Sumiyoshi)】
東京都江東区は東京メトロ有楽町線の延伸に向けた事業計画案をまとめた。区は2015年度までの着工を目指し、東京メトロを運営する東京地下鉄や東京都と近く調整を始める。有楽町線は現在、埼玉県の和光市駅から江東区の新木場駅までを結んでいるが、政府の運輸政策審議会で豊洲駅から半蔵門線住吉駅までの延伸計画が盛り込まれている。江東区では、概算建設費が1000億円前後になると試算し、豊洲新市場の整備などを見据え、事業化の推進に本腰を入れ、2010年度から建設基金の積み立ても始めている。
今回の調査では、路線延長は5.2km、東西線と結節する中間駅として東陽町駅を設定した。2つの新駅を設置するプランも想定し、今後は区の都市経営的な観点や東京メトロの中長期的な経営視点など上位レベルの意見も取り込み、運行・施設計画や需要予測の深度化を図る。震災対応や輸送障害発生時のリダンダンシー確保など、より広域的な視点も議論に加えていく。
江東区が事業計画をまとめたのは、区内の南北の交通の便を向上させるためだ。東西を結ぶ鉄道路線は充実している一方、南北はバス路線が中心となっているのが現状で、同区間の延伸は運輸政策審議会答申18号で、2015年までに整備着手することが望ましい路線に位置付けられている。江東区の延伸区間周辺に住む人口は、2029年までに現在の16万人から29万人に増加するとされている。
東京メトロや東京都も今回の有楽町線延伸について、東西線のほか、JR京葉線など周辺路線の慢性的な混雑の緩和にもつながるとして、前向きな姿勢を示すとみられる。東西線の混雑率は今後200%に達するとされるが、延伸が実現すれば東西線の混雑率は182-184%に低減できるという。
施設計画案によると、豊洲駅-東陽町駅-住吉駅の各中間に新駅の設置を想定。豊洲駅と住吉駅における既設路線との接続で必要になる工事を含め、概算建設費は最大で約1100億円を見込む。中間新駅を設けない場合は約900億円としている。
事業実施に当たっては都市鉄道利便増進事業費補助の活用を念頭に置いており、第3セクターが施設を整備、東京メトロが運行を行う「上下分離式」をイメージしている。江東区の試算では、東京メトロから年間20-30億円程度の支払いが受けられるため、30年程度で収支が黒字になると分析した。
同区間の延伸はリーディングプロジェクトとして検討されているもので、将来的には亀有や松戸への延伸も視野に入れている。

【有楽町線の車両】
副都心線で東京の地下鉄建設は終わりかと思っていたら、有楽町線の延伸が現実味を帯びてきました。
完成すれば、半蔵門線と線路が繋がるのはほぼ確実で、東京メトロとしては東西線の線路も繋げて、車両整備拠点の整理・統合を図りたいところでしょう。