2011.9.1 21:22

オーストラリアの東海岸の主要都市を結ぶ高速鉄道計画に、注目が集まっている。政府による事業化調査が進展しており、TGVを擁するフランスが参入に意欲を示しているほか、新幹線を売り込みたい東海旅客鉄道(JR東海)も、計画の行方を注視する。8月末には導入促進のためのセミナーもシドニーで開催された。世界各地で繰り広げられている高速鉄道インフラ輸出をめぐるつばぜり合いが、豪州でも始まる気配だ。
アルバニーズ豪運輸相が8月初めに発表した、高速鉄道計画の事業化調査報告書(中間報告)によると、高速鉄道の路線は第3の都市ブリスベーンから、第2の都市メルボルンに至る全長約1700キロ。最大都市シドニーや首都キャンベラなどを経由する。総工費は1080億豪ドル(約8兆6400億円)の見込み。
列車の最高時速は350キロ。ブリスベーン-メルボルン間を約6時間で結ぶ。ブリスベーン-シドニー、シドニー-メルボルン間はそれぞれ3時間で、両区間の運賃を74豪ドル(約5950円)と見積もる。シドニー-メルボルン間は現在、11時間を要しており、大幅な時間短縮になる。高速鉄道の利用客は年間5400万人と予想されている。
米国と同様、自動車と空の足が主流のオーストラリアにあって、高速鉄道を導入するメリットはどこにあるのか。まず、高速鉄道の建設に伴い、沿線の新たな都市開発やインフラ整備が進められ、観光客の誘致も期待されるなど、経済活性化への効果が挙げられる。
また、オーストラリアでは都市部の人口が急増しており、東海岸の人口は2056年までに、現在の1800万人から2800万人にまで増えると予測されている。政府は、高速鉄道はこうした人口増に対応し、輸送手段の分散化が図られることによって、空の足の混雑解消などの効果があり、鉄道需要も高まるとみている。
政府は「二酸化炭素(CO2)の排出削減にも寄与する」(アルバニーズ運輸相)と、地球温暖化対策という観点からも、高速鉄道をアピールする。オーストラレーシア鉄道協会(ARA)によると、高速鉄道の車両1両の旅客輸送量を自動車に換算すると、525台分で、年間走行距離にして320万キロに相当し、植林320ヘクタール分のCO2削減効果があるという。
高速鉄道計画は実は、1980年代から浮上しては消えてきた。最大の理由は、膨大な費用と採算性という「費用対効果」をめぐり、明確な見通しを見いだせず、常に疑問符が付けられてきたことにあった。
今回も、「費用と収益を考慮すると、高速鉄道計画は最良の選択肢とはいえない」(輸送機器アルストム・オーストラリアのレイン最高経営責任者=CEO)との声は消えてはいない。
こうした過去の経緯や、高速鉄道計画への賛否両論に加え、事業化調査は今後も継続され、最終報告書が出されるのは1年ほど後。このため、日本やフランスなどの高速鉄道関連企業は、今度こそ計画が日の目を見るのかどうか、慎重に見極める構えだ。JR東海シドニー事務所も「事業化調査の段階で、情報収集にとどめている」と話す。
それでも8月30、31日の両日には、高速鉄道の導入を促進するためのビジネス・セミナー「ハイスピード・レール・ワールド・オーストラリア」がシドニーで開かれ、日欧の鉄道関連企業が参加した。JR東海は新幹線技術の高さなどを紹介し、アピール。すでに前哨戦に突入したといえそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110901/asi11090121260001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110901/asi11090121260001-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110901/asi11090121260001-n3.htm
韓国は参加しないのかな?w
