
国際協力銀 米新幹線計画融資へ 日本企業入札予定 先進国向け第1号
国際協力銀行(JBIC)は、東海旅客鉄道(JR東海)などの日本企業グループが受注を目指す米フロリダ州の高速鉄道計画に融資する方針を固めた。通常国会に提出される同行の機能強化法案に盛り込まれた先進国向けインフラ輸出に対する融資の第1号となる。低利・低リスクの資金を提供。ライバルの欧州勢な どより有利な条件を提示することで落札を目指し、政府が新成長戦略の柱と位置付けるインフラ輸出を後押しする。ただ政局迷走で国会が混乱し法案が成立しないと融資が頓挫。入札で不利となるだけでなく、成長戦略も大きくつまずきかねない。
高速鉄道計画は米オバマ政権の景気対策の一環として打ち出された。タンパ-マイアミ間を結ぶ約500キロを最高時速270~300キロで走る。今夏にも タンパ-オーランド間約135キロの第1期区間の入札が行われる予定。第1期の事業費は約33億ドル(約2800億円)で、うち米政府から20億5千万ドルの補助金が拠出され、残りの資金調達が課題となっている。
JR東海のほか、日立製作所や三菱重工業、三菱商事など計11社は新幹線をベースとした計画で入札。安全性や定時運行の正確性を武器に受注を狙っている。日本勢以外にも、独仏の欧州勢や中国、韓国などが入札する見込みだ。
国際協力銀は計画段階から参画し、昨年12月に採算性などの調査に着手。先進国向けインフラ輸出融資を適用する方向となった。規模や条件は今後詰める が、民間銀行との協調融資で、国際協力銀が必要資金の過半を提供する可能性がある。実質的に日本政府が保証する融資が付けば、発注者側にはリスクを大幅に 軽減できるメリットがある。
菅直人政権は、世界的に需要が拡大する高速鉄道や高速道路、原子力発電所などのインフラ輸出を新成長戦略の柱と位置付け、従来は途上国向けに限定していた国際協力銀の融資の拡充を決めた。訪米中の前原誠司外相も8日(日本時間9日)、フロリダ州を訪れ、スコット知事と会談し、新幹線を売り込む。
ただ、参院で野党が過半を占める「ねじれ国会」での法案成立は不透明で、関係者は「最優先で取り組んでほしい」と求めている。
【用語解説】国際協力銀行の機能強化
上部組織の日本政策金融公庫から分離・独立させ、民業圧迫を避けるため、途上国向けに限定してきたインフラ輸出融資を先進国向けにも認めるほか、短期のつなぎ資金の融資や外国企業をM&A(合併・買収)する際の資金提供を可能にする。
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