観光スポットとして知られるJR山陰線の余部鉄橋(兵庫県香美町)が16日、コンクリート橋への架け替え工事のため、98年の歴史を閉じた。地元自治会が「惜別の儀式」を行ったほか、大勢の鉄道ファンや観光客が詰め掛けた。
1912年に開通した余部鉄橋は、全長約310メートル、高さ約41メートル。橋脚がやぐら状の「トレッスル式」で、規模の壮大さは「東洋一」とも うたわれた。
86年12月には強風で回送列車が転落、直下の水産加工工場で働いていた女性ら 6人が死亡する事故も。その後 強風時の運行規制を強化したため、ダイヤの乱れが頻発。鉄骨の老朽化も問題となり、2007年に架け替え工事が始まった。
惜別の式には、回送列車転落事故の遺族やJR西日本社員らも参加。あいさつした自治会長が「慣れ親しんだ鉄橋がなくなるのは寂しい。ありがとう」と声を震わせる場面もあった。
観光協会の職員は「架け替えで運休が減り、安全になるのを望む人も多いが、観光的にはマイナス面が大きいのでは」と複雑な表情を浮かべた。
17日から鉄橋の一部を解体し、新しい橋に線路を接続する工事が始まり、8月12日に開通する予定。強風対策として、日本海の眺望にも配慮した透明の防風板を設置する。今後は橋脚を3本だけ残し、鉄橋のスケールを体感できる展望施設「空の駅」として活用する方針。
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